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play villain
悪役
誰かが演じることになる。


悪「わーっはっはっは。ひっかかったな、ヒーローマン」
善「くそっ、卑怯だぞ、バッドエンペラー!」
悪「ほざけほざけ! きさまの悔しがる様が最高の賛辞よ。がーっはっはっは」

……ある種の物語には、悪役が必要である。つまり、どう考えても悪意に満ちた人物のことだ。しかし現実には、あまり悪役みたいな奴はいない。現実にそんなに他人の不幸を願い、利己的で、反省の色がまったくない、そんな悪人がぽこぽこいるだろうか? いるとしたら、何か病気か、それとも強迫観念につかまっているか、なにかの事情でヒネクれてしまった奴で……ほら、そうやって理由がついちゃうとあんまり悪い奴のような気がしない。むしろ憐れなような感じさえしてきちゃう。ともかく、完全な悪人というのは、身の回りにはなかなかいない。世界中どこを探してもいない、とは言わないが、しかし日常レベルにはあまり大勢いないのは事実である。
 ドラマでもマンガでも、最近はそんなステロタイプな悪人は冗談以外では登場しない。今までさんざん悪人として君臨してきた人物も、裏の事情が分かってみれば結構いい人で……みたいな展開の方がもうちょっとリアルな感じだ。結局最後まで見てみると、悪人なんか一人も登場しない、という物語が実に多い。
 だがちょいと注意して欲しい。そんな悪人不在の物語でも、最初は、主人公の視点から見れば悪役が存在していたのだ。
 人間の視点は常にひとつである。神ならぬ身には見えないことが多すぎる。誰も悪人がいなくても、悪役に見えてしまうことはたくさんある。あなたから見たら誰が悪役だろうか? そして誰から見たらあなたが悪役に見えているのだろう。

(2000.4.27)


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