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teaching game
教わるゲーム
楽しめますか?
 2002年の3月20日に僕のクレジットカードの更新があって以来、「UltimaOnline(ウルティマ・オンライン、以下UO)」からはまったく遠ざかっている。このゲームは世間ではかなり認知度が高いし、人によっては現実世界よりはむしろUOの世界(ブリタニア)で生きているという人もいる。そのくらいの人気ゲームだが、僕にはどうも合わないようだ。よくよく考えていると、これはどうもこのゲームのおもしろさ云々ではなく、僕自身の能力によるのではないかという気がする。

 UOというゲームについて軽く説明しておくと、文字通りブリタニアで暮らすゲームである。たくさんのプレイヤーがゲーム世界に接続し、生活を楽しんでいる。
 このゲーム世界の中で、プレイヤーはなんでも好きなことができる。モンスター退治(俗に“狩り”と呼ばれる。戦闘技能を高めたりアイテムを手に入れることが目的だ)をすることもできる。洋服を作ることも、料理をすることも、釣りをすることもできる。動物を飼い慣らしてペットにしたり、乗用にしたりすることもできる。商売を始める人も多い。自分で作ったモノや戦闘で手に入れたものを人と取引するのだ。家を建てることもできるが、ゲーム内の空き地不足でほとんど家を買うことができないというのは有名な話である。
 不満もいくつかある。ほとんど不可能な事の一つは「英雄になること」だ。キャラクターの能力には限界が定められており、一人最強といった事態は起きないようになっている。ある意味では仕方のないことだ。たくさんのプレイヤーが全員英雄になるわけにはいかない。本当に英雄になりたければ、キャラクターではなくプレイヤー自身が訓練しなければならない。素早いマウス操作、能率的な戦闘方法、アイテムやモンスターの知識など……それでも英雄になることができるのは、本当に一握りのプレイヤーだけだ。
 また、ストーリーを楽しむといったこともできない。ストーリーゲームを好む僕としてはこれはたいへん不満な点である。冒険というよりはあくまでも生活するゲームなのだ。もっとも、生活そのものが物語だ……という観点もなくもないけれど。

 しかし、そういった不満が問題なのではない。問題は、これが“教わるゲーム”だということである。このゲームではいろんなことができるが、そのあまりの自由度のゆえに、覚えることが多すぎる。生活するってことは、つくづく無限の知識が必要なのである。外国で細かい生活習慣の違いが問題となるのと同様に、ゲームの中のまったく違う生活習慣を一から学び直さなければならない。
 プレイヤーは最初の半年を、説明書に書かれている内容を人から学びキチンと身につけることに費やす。重量とスタミナの問題、モンスターとの戦闘、隣人の状態の見分け方、買い物の方法、アイテムの使用法……すべて覚えるべきことである。
 その後の半年を、説明書にまったく書いていないようなルール(えっ、パイを焼くなんてことができるのかい?)を学ぶことに費やす。ルール以外にも学ぶべきことは山ほどある。おおまかなモンスターの分布を知らなくては、おちおち道も歩けない。街で人間を相手に交渉すること。自分に必要な商品が、どこでよく取り引きされていて、その相場はいくらくらいか(馬が欲しければ、700GPも払えば馬屋で買うことができる……だが街へ出て自由取引をすれば、100GPを越えることは決してないし、親切な人がタダでくれることさえある)

 ところがどっこい、“教わる”という技能が僕には基本的に備わっていないのだ。これが「教える」技能に恵まれた反動なのか、単に小心者だからなのか。あまり人に細かく尋ねたりしない。誰だって自分のことで忙しい。小心者としては、他人に時間を割いてもらって何かを教わるということが困難なのである。だから、結局のところ、魔法の細かい使い方というのは僕には分からないままだ。世界の大半に何があるのかも知らない。友人と行動する時には、魔法でピュンピュン運ばれるので、自分がどこにいるのかさっぱり分からない。ちんぷんかんぷんだ。
 となると、僕が世界の法則を知るためには、独立独歩の精神で辺りをうろつくということになる。楽しいことは楽しい。自分で身につけたことは決して忘れない。Yewの街への南の街道には魔法を使う魔物が出るので、魔法に弱い僕には危険である。Britainの南西には不思議な迷路状の土地があって、中にはおそろしく強力なモンスターがひしめいている。強盗に襲われたら、ゲートに逃げ込めば追ってこれない。こうした知識はすべて一人でなんとかかんとか学んだことだ。だが学ぶというのは、なかなか難しい事でもある。人から教わってすぐ分かることでも、一人で学ぼうと思ったら長い時間が必要になる。

 そういうわけで、UOはもう辞めてしまった。あれこれ人に教わるというのがどうも性に合わない。自分で学ぼうと思ったら時間がかかりすぎる。維持費も毎月10ドル弱取られるし。一応、またやるかもしんないので、アカウントは削除していないが、でもまあ半年くらいでアカウント消えちゃうんだよな、たしか。

ちなみに今気に入っているのは『Bauldar's Gate(バルダーズ・ゲート)』のシリーズだ。ネットゲームとしても遊べるが、基本的には一人で遊んでいる。ストーリーも自由度が高い。今プレイしているのは英語版『Plane Scape: Torment』だが、英語がキツいのでクリアしないうちに『Ice Wind Dale(アイス・ウィンド・デイル)』へ移っちゃうかもしんない。

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Mogami Takafumi / もがみたかふみ
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