Solitaire's Company / essays / How many roads to Rome? // bottom /
How many roads to Rome?
ローマへの道はいくつある?
少年はローマを目指す
 最近、行きずりの若者から、進路相談を受けた。ゲームライターになりたいのだそうである。なんといっても、ソリカンは、exciteさまのディレクトリに「ゲームライター」のサイトとして載っているくらいのサイトである(別にゲームのコンテンツなんか無いんだけどさ)。進路相談くらい受けることだって、あるだろう。

 で、じゃあどうやったらゲームライターになれるのか、っちう話なのだが、正直言って、そんな方法論があるとは思われない。ここは天下の吹きだまり、どこそこからゲーム以外に能のない連中が吹き寄せられてくる場所である。ライターの専門学校なんてものもあるらしいが、専門学校出のゲームライターなんぞ、見たことがないのである。もっとも普通なのが、出版社や編集プロダクションでしばらく勤めてからライターに転向というパターン。別に新卒でなくても、バイトとかで始めて長い下積みを経て社員になり、あるいは社員なみの仕事ができる人になり、会社を辞めてフリーになる。そういうケースだ。ということは、どうやってでも出版社か編プロにもぐりこまなければならない。
 そこで、考えられる方法としては手当たり次第に電話をかけて「バイトで働きたいんですが、募集はありませんか」と頼み込むことである。募集をAtoZで探したりしていては、100年経っても潜り込める可能性など無い。片っ端から当たるというやる気が必要である。そりゃ、僕だって見たこともないような会社に電話をかけるのは気が進まない。学生時代だったら絶対にやらない。今だって、それをやれと言われたらめんどくさいなぁと思う。でも、他にとりあえず思いつくような方法は無いのである。
 でも、「手当たり次第に電話をかけなさい」と言っても、若者には(ああ、僕はもう若くないのか)あまりピンと来ないようだ。

 元同僚や会社関係の人にこの話をすると必ず「『やめた方がいい』って言ってあげる方が親切なんじゃん?」という返事が帰ってくる。そもそも編集やライターに必要な能力って、企画力と、そしてなんでもやってのける処理能力である。電話くらいでしりごみしていては、向いてないのだ。とはいえ、「僕も若い頃はこうだったんだろうなぁ」と思うとなかなか邪険にもできない。ついつい情にほだされてしまう。

 遠くにあるものには、なかなか手をのばすことができない。どうやってそこにたどり着いていいのか、想像もつかないような場所へは、なかなか足が進まない。そもそもどっちへ向かって歩き出せばいいのか分からない。砂漠のド真ん中で「ローマを目指せ」と言われたって、360度の地平線と半球の星空を見上げて、いったいどっちへ歩けばいいというのか? 立ち止まってため息をつくのも、まあ無理からぬことではある。人によっては「今からローマなんて、絶対無理だ」と思うこともあるだろう。
 しかしそれじゃ、ローマは消えてしまったのか。ローマへの道は夢か幻か? 否、ローマは厳然として存在するし、そこへの道も確かに存在する。しかも一つではない。いくらだって道はあるのだ。足を動かしさえすれば、たどり着く可能性はまだまだある。
 夢はそうそうたやすく捨てないものだ。夢が人を裏切る事よりも、人が夢を裏切る事の方が、よほど多いのだから。

(2002.08.14)

Solitaire's Company / essays / How many roads to Rome? // top /

Solitaire's Compnay
Mogami Takafumi / もがみたかふみ
solitair@wa2.so-net.ne.jp