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vacant lot
駐車場とフリーライター
空いてたり、空いてなかったり。

 昔、都会の駐車場不足についての記事を読んだことがある。その記事によれば、駐車場というのは、ちと特殊なスペースだという。

 たとえば、車がいない駐車場を想像してほしい。畳何畳かのぽっかりと空いた空間がそこに残る。なんとなく、もったいない感じを人に与える。
 「貴重な土地を余らせておくのももったいないから」というので、じゃあ駐車場でガレージセールをやりましょう、ということになる。家庭の中で余っている品物、こぎれいなものを集めてきて、空いたスペースに陳列する。小さくなったけどまだ着られる古着や。埃をかぶった本棚。子供は大きくなったけれど、捨てるには忍びないぬいぐるみ(このつぶらな瞳を見ろよ!)。旅行先で酔っぱらった挙句に買ってきた、意味不明にデカいキャラクターキーホルダー(名前はハゲて読めない)。ついには変色したコーラの空き瓶までを並べるようになると、本人以外はちょっと常軌を逸していると気づく。いや、これだってゴミだと思えばゴミだけどね、と本人はちょっとだけ照れながら言う。しかし、中には希少価値のあるコーラ瓶だってあるというじゃないか。もしかしたら、これがそうでないとも限らないし……
 ところが、そこに、自動車が戻ってきて苛立たしげにクラクションを鳴らすのだ。順風満帆に思えた個人商店に、突如として閉店騒ぎが持ち上がる。すべての商品は元来た場所へ舞い戻っていく。もちろん運転手と店主の両方をウンザリさせながら、である。

 このように、駐車場というのは、「空いていることによって活用される」スペースだというのである。無駄に見えて、そうではない、空いていなければ駐車場として役に立たない。いざ使うという時には空いていなければならない。それゆえ、有効活用というのが困難になる。
 駐車場は、ライターをはじめとするフリーランスの商売とよく似ている。手が空いているから、バイトを入れたくなる。しかし、手が空いていなければいざ仕事が来たという時に受けられぬ。なんともパラドクシカルな商売である。

 ああ、また仕事が重なった!

(2003.01.29)

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Mogami Takafumi / もがみたかふみ
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