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わざとならぬにほひ

 私は香りが結構好きだ。それほど凝るというわけでもないのだが、香るものを見るとつい心ひかれてしまう性質なのだ。つれづれに、香るものを書き出してみた。


<わざとならぬにほひ>

 「わざとならぬにほひ」
 これは確か清少納言の『枕草子』に出てくる文句である。風流な人の家をたずねたら、「(客が来る時になって)わざわざ焚いたのでないようなお香の香り」がして、実にいい雰囲気だった、という内容だったと記憶している。いつも香を焚いて、香りをはべらせているのが風流だというわけだ。
 少しは見習おうかと思うのだが、どうも自分にしっくりこない。やはり雅な香りは、おのずからなるであって、並みの人が真似ようとしても、上手く行かないものらしい。

<キーホルダー>

 どこかのおみやげだったのだが、どこで買ったのか、今となってはもう思い出せない、キーホルダーがある。小さな8角形の金色の棒。長さは3センチほどで、頭にスチール製の丸いキーホルダーの金具がついている。頭から1センチほどのところに、ちいさな刻みが2、3本入っており、そこから、棒の中が空洞であることが見てとれる。今では金色がすっかり剥げ落ちてしまって、地の灰色が顔を出している。よくよく見れば、棒の先っぽ、8角形のかたちをした底の部分に、ちいさな丸いふたがついているのがわかる。
 このふたを開くと中の空洞に詰めてある脱脂綿が出てくる。かつては、この脱脂綿に香りが付いていた。どんな香りだったのか、今ではもう思い出せないが、甘い、いい香りだったと思う。当時、おそらく小学生だったと思うが、僕は、その上品なデザインと、香るキーホルダーという趣向にひかれてそれを買ってもらった。「お気に入り」を入れる箱に長いことしまいこんであったのだ
 これを買ったのは、いったいどこだったのか? 今ではもう香ることもない、ちいさな色褪せたキーホルダーだ。

以下予定

<にほひ袋>
<ミント>
<紅茶、フレーバリーティー>
<Kaori(高野寛)>


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