Solitaire's Company/stories/800 letters horror/

800 letters horror
800字ホラー


 以前、800字でホラーを書けるか、という賭けをしたことがある。友達は、ゲラゲラと笑った。
「できるわけないじゃん、そんなの」
「簡単だよ。できるさ」
それを聞いてヤツはまたゲラゲラ笑った(失礼なヤツだ)。
「無理無理。絶対無理だよ」
「よし、じゃ、待ってろよ」
私はその場でパソコンに向き直り、文章を打ち始めた。ヤツはニヤニヤしながら茶をすすっている。
 書き上げると、私はそれを見やすいように画面に表示し、ヤツを呼んだ。
「これ、読んでみろよ」
「もうできたの」
ヤツはゲラゲラ笑いながら、私のそばに近づいて、モニターをのぞき込んだ。しばらくマウスのカチカチという音だけが続く。私にはヤツが多少なりともビビる自信があった。ところがヤツは、読み終わるとゲラゲラ笑い始めた(本当に失礼なヤツだ)。
「怖くないじゃんかよ」
「え〜。無理すんなよ」
「怖くないよ。全然」
ヤツはまたゲラゲラ笑った。
「じゃ、約束覚えてるよな」
「約束? なんか約束したっけ?」
振り返ると、ヤツが人間には不自然なほどでかい口を開けて、私を丸のみにするところだった。ヤツは私の首を食いちぎり、頭がい骨をゴリゴリと咀嚼し、飲み下した。私は床に倒れ、食いちぎられた首からドクドクと血を流した。
「勝った方が負けた方を丸かじりにする約束じゃんか。もう忘れたのかぁ? 脳みそあんのかよ。あ、もう脳みそ残ってないか」
ヤツはまたゲラゲラ笑った。
 


Solitaire's Company/stories/800 letters horror/
Solitaire's Company
solitair@wa2.so-net.ne.jp