赤外線写真に挑戦するページ
赤外線写真で何か良いことがあるのか?と問われると困るのですが、、、。
半世紀前から赤外線写真というのは写真の一ジャンルとして一定の地位を占めていました。時代は変って今ではフィルムも手に入りにくくなり、地域のラボで現像することもできなくなっていますが、今では多くのユーザーがデジタルカメラで赤外線写真を楽しんでいます。
赤外線フィルムと違って、フィルム装填や現像の手間がかからない点で、デジタルカメラは赤外線写真に向いているようなので、遅まきながら私もトライしてみました。
赤外線写真テスト結果
手持ちの古いデジカメ PENTAX *istDs を叩き売ろうとしていましたが、実はこの当時の廉価版一眼レフはコスト削減のためローパスフィルターに安価な材料を使っており、その結果、他の一眼レフカメラに比べてより多くの赤外線を透過させることが分かりました。
ローパスフィルターというのは、CCDの前面に装着された、を目的としたフィルターです。このフィルターにはニオブ酸リチウムなどの高価な材料が使われることが多いのですが、2004年当時に手ごろな価格で発売されていたこの機種では、価格を抑えるためにローパスフィルターに人工水晶※が使われていました。(※ 間違っているかもしれません、、、)
webでこの情報を知るや、一度はやってみたかった特殊撮影である赤外線写真を撮ってみようと、早速、赤外線透過フィルターを買ってみました。
材料
- カメラ本体 PENTAX *istDs
- レンズ smc PENTAX DA 18-55 F3.5-4.5 AL
- ステップアップリング φ52mm → φ58mm
- Kenko MCプロテクター φ58mm
- 富士フイルム ゼラチンフィルター IR-78
手製フィルターの作り方
- ゼラチンフィルターの保護紙端末にセロテープを貼って、フィルターに紙を固定する
- 58mm径のフィルターをテンプレートにして保護紙に円を描く
- 線の約2mm程内側(目分量)をハサミで円形に切り抜く
- 58mm MCプロテクター(レンズ保護用フィルター)とステップアップリング(52mm→58mm変換)の間に切り抜いたフィルターを挟み込む
リングとプロテクターの間でゼラチンフィルターが動きますが、お試し用途ではこの程度で十分のようです。
撮影条件
- 三脚に取付
- ピント調整:フィルター無しの状態で構図を決め、AFでピント合せができることを確認した後にフィルターを装着、その状態で再度AFでピント合せ ※1
- 露出:マニュアル
- 露出補正:カメラ表示値 +2.7~3.0 補正
- ホワイトバランス:晴天
- 記録形式: RAW(PENTAX独自形式)
- 現像ソフト: PENTAX (K-7用ですが、旧機種にも使用可)
※1 安価なデジタル用のレンズには赤外指標が付いていないので、安直にAFに頼ってみました。ファインダーは真っ暗ですが、AFが作動するのが不思議。
撮影結果 その1
- 2010-01-04_IR_18.jpg
通常のカラー画像です。
各種設定
| 撮影時間 |
ISO |
F値 |
シャッター速度 |
露出 |
WB |
| 2010年1月14日 |
200 |
16 |
1/60 sec |
絞り優先AE |
晴天 |
- 2010-01-04_IR_18BW.jpg
上記のカラー画像を単純にモノクロ化したもの。
各種設定
| 撮影時間 |
ISO |
F値 |
シャッター速度 |
露出 |
WB |
| 2010年1月14日 |
200 |
16 |
1/60 sec |
絞り優先AE |
晴天 |
- 2010-01-04_IR_19.jpg
Fujifilm 赤外線フィルター IR-78 使用。
長時間露出のため、雲が流れています。
画像左下の陰の部分にイワカガミがあります。
カラー写真ではイワカガミの葉がほとんど判別できないのに対して、赤外線写真では判別しやすくなります。
これは、日陰にあるイワカガミの葉が周囲の赤外線を反射しているためです。
モノクロ写真と比較すると、赤外線写真の特異な描写が分かると思います。
各種設定
| 撮影時間 |
ISO |
F値 |
シャッター速度 |
露出 |
WB |
| 2010年1月14日 |
200 |
16 |
25 sec |
マニュアル |
晴天 |
撮影結果 その2
- IMGP2003.jpg
灰ヶ峰から広方面を撮影したものです。
曇り空で靄がかかっているため、遠くに見えるはずの島影が分かり難くなっています。
撮影はカメラ任せ、現像設定もデフォルトのままにしていますが、実際に見た感じもこんなものでした。
各種設定
| 撮影時間 |
ISO |
F値 |
シャッター速度 |
露出 |
WB |
| 2010年4月19日 |
200 |
11 |
1/60 sec |
絞り優先AE |
AWB |
- IMGP2002.jpg
Fujifilm 赤外線フィルター IR-78 使用。
曇り空のため、今ひとつ冴えませんが、カラー写真に比べると雲の濃淡や島影が分かり易くなっています。
各種設定
| 撮影時間 |
ISO |
F値 |
シャッター速度 |
露出 |
WB |
| 2010年4月19日 |
200 |
11 |
8 sec |
マニュアル |
AWB |
附記
- 赤外線フィルターはIR-78以外にも多くの種類があります。
今回は Kodak Professional HIEフィルムで推奨しているラッテンフィルター87と同等の性能を持っているということで、IR-78を使ってみました。
- フィルターは通販でも入手できます。検索する場合は、「IR-78」、「(通販のサイト名)」などのキーワードでもヒットします。
- 枠付きのフィルターも市販されています(例 : Kenko PRO1D R72 など)。ゼラチンフィルターだと手加工するかホルダーの購入は必要ですが、フィルター自体は1割前後の手頃な価格で買えます。
- 赤外線をよく透過するタイプのカメラでもファインダーが使えないので、三脚無しでは撮影は難しいです。
- ローパスフィルタを取り外すのは、素人ではとても無理のようです。
- 赤外感度が高いカメラは を調べると良いでしょう。お手持ちの機種の赤外感度が高い場合は、是非トライしてみて下さい。