
ラコ−ンノ−ク サント−ン物語
ラコーンノークとはラコーンノーラーもしくはラコーンチャートリー(南タイの舞踊劇)が発展したものです。詩を改編して舞踊劇用にし、音楽は独特の美しさをもって響きます。これらは他に分類する言葉がなかったため通常「舞踊劇」とよばれていました。アユタヤ時代になって宮廷内で舞踊が演じられるようになってから、村々の男達が演じる芝居を「ラコーンノーク」宮廷内の舞踊を「ラコーンナイ」と呼ぶようになりました。
サント−ン物語
サントーン誕生
ある国にヤッサウィモン王とチャンテーウィーという名の王妃がいました。王妃は王位を継承する皇太子がほしかったため神に祈る儀式を行っていました。これを見ていたインドラ神は転生し王妃のお腹にやどります。王妃はほどなくほら貝に入った王子を産み落とします。同時期に子供を産んだ第2婦人は嫉妬に狂い占い師に賄賂を渡し、王妃と産まれてきた子、ともども追放しないとこの国は災いに見回れるという進言をさせます。追放された母子は森に住む祖父母に助けを求めます。
5年の歳月が過ぎましたがほら貝の中の王子は決して貝から出ようとしませんでした。しかし母が出かけている間に時々鳥たちが干してある米をついばむのを見るとほら貝から出てきて鳥を追い払い、母のために御飯を炊いておくのでした。ある日ほら貝から出てくる王子の姿がどうしても見たくなった王妃は外に出かけたふりをしました。王子がほら貝からでた瞬間すかさず王妃はほら貝をこわしてしまい王子はほら貝に帰れなくなりました。
サントーン川に投げ捨てられる
王妃とその子供がまだ森で生きているという話しを聞いた第2婦人は、王をそそのかし王子を殺すように進言します。王の命令を受けた軍人達は王子を捕まえ殺そうとしますがどうやっても王子は死にませんでした。軍人達に王子が連れ去られた事を知った王妃は後を追いますが、すでに王子は川に投げ込まれた後でした。
鬼に育てられたサントーン
竜王は王子を助け女鬼のパントゥラットにその子を育てるようにと王子を託します。パントゥラットとその従者達全員、王子が怖がらないように人間の姿に変身します。そして15年の月日が過ぎたある日いつものようにパントゥラットは王子が左右の池にいかないように、また宮殿に入らないように申し渡して森に食料を探しに出ます。最近何か不信に思っていた王子は入ってはいけないと言われていた所に行ってみると、おびただしい数の人間や動物の骨が散乱しているのをみつけ、自分を育てていたのは実は鬼だったという事をさとります。また左の池に指をつけてみるとそれは銀で、右は金でした。宮殿に入って見るとそこには『ゴ族』の仮面とガラスのくつ、ステッキがありそれを身につけると飛ぶ事ができました。王子はここから逃げ出し実の母を探そうと決心します。
王子鬼の住処から逃げる
ある日パントゥラットが食料を探しに森に行っている間に王子は金の池に身を浸し、ゴ族の仮面をかぶって鬼の国を逃げ出そうとしました。これを知ったパントゥラットがどれだけ帰ってほしいと懇願してもがんとして聞き入れませんでした。悲しみにうちひしがれたパントゥラットは自らの命を断ってしまいます。パントゥラットの葬式を執り行った後、王子は実の母を探すため、サーモン王の国の牛飼いの子供の所へ身を寄せます。
七人の娘の結婚
サーモン王にはモンターという王妃がいました。二人の間には七人の娘がおり、この娘達に見合いをさせようと諸国の王や王族を集め娘達にあわせました。六人の娘達はそれぞれ自分に相応しいと思う人に花輪をなげ、夫に決めましたが、末娘のロッチャナーだけはなかなかきめようとしません。王は仕方がなく国中の男達を呼び集めるよう命じますが、その中でもロッチャナーは満足しませんでした。
サントーン、ロッチャナーを射止める
サーモン王は仕方なく最後に残ったゴ族の若者を連れてくるように命じます。そのゴ族の若者の容貌は汚らしく不細工で、とても王族が気に入るような男ではありませんでした。しかしロッチャナーは一目この若者を見て、前世から夫婦であったと確信し、ゴ族の仮面の下の本当の姿を見抜きます。ロッチャナーは夫と決めた者へ投げる花輪をサントーンに投げます。これを見ていた王は激怒し、二人をあばら家に追放します。ある日サントーンはロッチャナーの前でゴ族の仮面を脱ぎました。もう二度と醜いゴ族の仮面をつけてほしくなかったロッチャナーはすきを見て仮面を火に投じます。しかし仮面は燃える事なく、ロッチャナーを信じられなくなったサントーンはその後決してゴ族の仮面を脱がなくなりました。
王の命令
ロッチャナーがゴ族の若者を婿に迎えた事を激怒した王はサントーンと六人の義理の息子に1人100匹魚を捕まえてくる様命じます。もしだれか見つけて来られなかった場合は殺すと宣言しました。サントーンはゴ族の仮面を脱ぎ、パントゥラットが死ぬ前にさずけた呪文を唱えました。すると水辺にはたくさんの魚が泳ぎはじめました。魚を集めたのがサントーンとは知らず、神だと思い込んだ六人の婿達はサントーンに魚をわけてくれるよう懇願します。サントーンは魚は鼻先と交換だといい、1人に二匹ずつ魚を渡します。サントーンを陥れる事ができなかった王は今度は肉をもってくるように言います。しかし再びサントーンに肉をわけてもらう事になった六人の婿達は今度は耳たぶを交換条件にされます。サントーンをどうやっても陥れる事ができなかった王はこの先サントーンに何もすることができなくなりました。
サントーン ポロ競技をする
インドラ神はサントーンがゴ族の仮面を脱がないのを見てサ−モン王の領土のまわりに軍隊を配置させポロ競技をいどませます。もしサーモン王側がまけたら領土をもらうといいます。王は六人の婿を挑ませましたがことごとく敗退します。王はしかたなくゴ族のサントーンに助けを求めるようモントーに言います。しかしサントーンは王が用意した衣装が気に入りません。そこでインドラ神はヴィシュヌ神に彼に相応しい服を持っていかせます。サントーンはゴ族のかっこを脱ぎ捨てて公衆の面前に立ちます。インドラ神がわざとポロ競技に負けると王は褒美として一つの国をサントーンに与えます。
ヨッサウィモン王
インドラ神に自分のやった非道な仕打ちをいさめられ、もし森に王妃と王子を迎えに行かなければ命を落とす事になると言われたヨッサウィモン王は自分の行いを恥じ森に二人を迎えに行きます。そこで王妃と会った王は二人でサントーンの軌跡を追ってサーモン王の国にいきあたります。二人は僧に身をやつし人込みにまぎれてサントーン王子が通るのを待っていました。行列の中のサントーンを見て自分の息子だと確信した王妃は宮廷に食事係りとしてはいりこみ、王はドアマンとして宮廷にはいりこみます。
ある日王妃は王子が川に投げ込まれた様子を瓜に刻んでおいておきます。これを見た王子は母がこれを作ったとさとり無事父と母と再会します。事情を聞いたサーモン王はロッチャナーとサントーンをヨッサウィモン王の国に返しました。