高血圧、脳梗塞、糖尿病、甲状腺疾患、アトピ−性皮膚炎、インフルエンザ、結核、抗生物質,腸炎、予防接種、かぜの薬、消炎鎮痛剤
高血圧
Q.高血圧です。どこまで下げる必要がありますか?
A.第17回国際高血圧学会(98年6月)では、大規模臨床試験(1万8790人の高血圧患者を6年間追跡)で、目標値を139/83mmHgと推定しています。
Q.家庭血圧の正常値は、どのくらいですか?また、1日1回ならいつ測ればよいですか?
A.家庭血圧の場合、130/80mmHg以上であれば高血圧とみなします。また1日1回なら朝がよいでしょう。上腕用家庭血圧計を用いてください。
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脳梗塞
無症候性脳梗塞
Q.脳ドックで脳梗塞と言われました。症状はありません。どうしたらよいですか?
A.無症状の脳梗塞の脳ドックにおける発見率は、対象の平均年齢51才で8%です。高齢になるに伴いその頻度は増加します。70才代では30%に認められますが、それほど高率に脳卒中に移行するわけではありません。血圧管理が良好であればそのまま寿命をまっとうできる可能性の方がはるかに高い。
無症候性脳梗塞の大半は、画像上直径1.5cm以下の基底核領域、視床、深部白質などの小梗塞です。ラクナ梗塞の無症候期とも言えます。過度の不安を持たないことが、まず大切です。
| ラクナ梗塞は通常穿通枝領域の高血圧性小血管病変です。ラクナ梗塞再発予防にアスピリン(小児用バファリン)などの抗血小板薬の有効性は確認されていません。むしろ脳出血の発症を助長する可能性のあることが報告されています。とくに血圧が高い状態での使用は避けなければなりません。穿通枝系の小梗塞の血管病変は多彩で様々な型の小動脈硬化と血栓を伴った小動脈瘤です。 |
ラクナ梗塞の治療で最も重要なのは高血圧や糖尿病、高脂血症、喫煙などの危険因子の管理です。また、脱水などの血液粘度の上昇を避けるために水分摂取の励行が望まれます。
ただし頸動脈エコー検査はまず受けて下さい。またMRアンギオも医師と相談の上で必要があれば受けましょう。主幹動脈病変が原因である場合は、抗血小板薬の使用が必要です。
なお、心原性塞栓が関わる場合は、抗凝固療法が第一選択の再発予防法です。
(参考文献)
1,「無症候性脳血管障害」日本内科学会雑誌97年10月号
2,「エビデンスに基づく内科疾患の治療戦略ラクナ梗塞・無症候性脳梗塞」松本昌泰・堀 正二・柳原武彦(大阪大学)、内科79巻6号、1997、南江堂
3,「無症候性脳梗塞」宇高不可思・西中和人・亀山正邦(住友病院神経内科)、臨床医23巻1号、1997、中外医学社
4,「無症候性脳梗塞−その実態と意義」小林祥泰(島根医科大学第3内科)、内科79巻4号、1997、南江堂
糖尿病
Q.グリコヘモグロビンA1Cは、糖尿病の診断に用いることができますか?
A.老人保健法による糖尿病検診マニュアルでは、糖尿病検査にヘモグロビンA1Cを導入することにしました。選択検査とされています。空腹時血糖(血漿)110mg/dl以上、随時血糖140mg/dl以上などの基準が示されています。6%以上が要医療、5.6%未満を異常なしとしています。基本健康診査では、簡易性、受検者の時間の損失も考えてのこととされています。
「糖尿病の分類と診断に関するシンポジウム」のセッション4「HbA1Cを診断に用いることができるかどうかの検討」では、「診断基準というよりは、むしろ重要参考資料と位置づけるのが適当」(島 健二)、「集団としては血糖値と高い相関があるものの、個々の症例ではバラツキが大で、HbA1CをOGTT(ブドウ糖経口負荷試験)の代わりに糖尿病診断に用いることには慎重を要する」(伊藤千賀子)、「HbA1Cは、糖尿病患者の血糖コントロール指標としての有用性は確立されてきているが、診断的有用性については議論の余地がある」(石田和史)と意見が述べられています。
検診と医療では、少し考え方を切り替えた方が、今のところよいのではないでしょうか。
(参考)
「老人保健法による糖尿病検診マニュアル」厚生省老人保健福祉局老人保健課 監修、日本醫事新報社、1996
「糖尿病の分類と診断に関するシンポジウム」、糖尿病:第41巻臨時増刊号2、1998年12月
甲状腺疾患
Q.バセドウ病です。眼がとび出てこないかと不安です。どうすればよいですか?
A.上眼瞼が後退すると眼球突出のように見えることがあります。球後脂肪組織、外眼筋腫大により眼球が後方から押されて突出するのが真の突出です。
眼球の突出はヘルテル眼球突出計で測定します。逆まつげ、眼瞼内反、結膜充血、流涙、しゅう明、異物感、複視、視力障害があれば眼科的な診察が必要です。CTで外眼筋の肥大などをみます。CTで異常があればMRIを行います。
治療は、副腎皮質ホルモン、眼筋へのリニアック照射などがありますが、眼科医と相談の上、決定します。
軽度から中等度の眼の症状は、特別の治療を行わなくてもバセドウ病の治療開始から1年もすると落ち着いてくることが多いようです。
アトピー性皮膚炎
Q.湿疹のひどいところは、かわいそうなので洗うとき石鹸はつけていません。よろしいでしょうか?
A.皮膚は、汗と汚れにまみれています。石鹸を使ってきれいにしましょう。塗り薬をいかに良いものを選んでも、汚れたままのところに塗ったのでは、汚れも皮膚の中に入ってしまいます。ただし、合成繊維の布でゴシゴシするのはやめましょう。刺激の強すぎる石鹸、洗いすぎもよくありません。
Q.アトピ−性皮膚炎に亜鉛華軟膏は効きますか?
A.黄色ブドウ球菌感染はアトピ−性皮膚炎の増悪因子の一つです。亜鉛華軟膏の主成分である酸化亜鉛には、黄色ブドウ球菌の付着と増殖を防ぐ効果があります。フィブリンの凝固を抑えて間接的な働きで抗菌作用を発揮します。スキンケア剤として有効です。
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インフルエンザ
Q.インフルエンザに罹らないためには、どうすればよいですか?
A.人込みを避けるのが、まず大切です。インフルエンザは、罹った人の咳やくしゃみで、空気中に飛び出たウイルスを鼻から吸い込んで感染します。
マスクは、インフルエンザを防ぐ効果は、あまりありませんが、罹った人がインフルエンザウイルスをまき散らすのを減らします。うがいは、お茶でやるほうが効果的です。手洗いも有効です。
部屋は加湿しましょう。但し、加湿器は1日1回は、水を抜いて、内部をきれいにしましょう。部屋の換気はまめにしましょう。
抵抗力を高めるには、休養・十分な睡眠と栄養のバランスが大切です。
Q.潜伏期は、どのくらいですか?
A.1〜2日です
Q.発症後、何日くらい感染力がありますか?
A.3〜5日間です
Q.インフルエンザの養生では、何が重要ですか?
A.十分な水分補給です。
おしっこの回数や量が少なくなっているようなら、水不足です。食べる量が落ちているときは、ミネラル(塩分など)を含んだ水を補給しましょう。成人では1日2〜3リットル(500mlのびんで4〜6本)が目安です。
高熱が続き、体が熱いが、汗をかかない場合は、ぬれタオルで体をふいてみましょう。蒸発するときに、熱をうばいます。
ときどき腹ばいになるのも、肺炎予防に有効です。
Q.インフルエンザの時にバファリンを使わない方がいいって本当ですか?
A.インフルエンザの時に、アスピリン(バファリン)を使って、ライ症候群が多発したとのアメリカの疫学調査があります。ライ症候群とは、インフルエンザ、水痘の後、嘔吐・意識障害・脳浮腫を起こす死亡率の高い病気です。15才未満でインフルエンザ、水痘の時はバファリンの使用は避けましょう。かぜ薬のPL顆粒やLLシロップの中には、サリチル酸が入っています。注意しましょう。
なお、アセトアミノフェンは比較的安全な解熱剤です。また、医師が処方する小児用バファリンはアスピリンですが、市販されていて医師の処方箋なしで手に入る小児用バファリンは、アセトアミノフェンです。成分をよくみてから使いましょう。
Q.インフルエンザ脳症って、どんなものですか?
A.高熱をきたしてから、きわめて早期(0〜2日以内、多くは翌日)に意識障害、幻視・幻聴や痙攣を呈します。1〜2歳を中心に5歳以下に多い。1年に100〜300人。肝機能異常、腎機能低下、血小板減少は予後不良の因子です。
アメリカをはじめとする諸外国では、インフルエンザ脳症の存在は未だ普遍的ではありません。
有効な治療法・予防法は確立していません。2000年の冬より厚生省研究班において、重症例の治療の多施設共同研究が実行されています。
「少しへんなことをしゃべる」という奇妙な言動は、警戒サインです。
Q.迅速診断が保険で使えるようになったそうですが?
A.A型、B型の迅速診断が保険で使えるようになっています。インフルエンザの迅速診断の感度は、咽頭ぬぐい液で50〜70%、鼻腔ぬぐい液で70〜90%です。
迅速診断が陽性であればインフルエンザの診断はほぼ確実です。しかし、陰性の場合は、インフルエンザの可能性は否定できないので、流行状況、症状などを勘案して総合的に診断することが重要です。
Q.A型インフルエンザに効く薬が、保険で使えるようになったそうですが?
A.アマンタジン(シンメトレル)という薬です。脳梗塞に伴う意欲・自発性の低下の改善、パーキンソン症候群の薬として使われてきました。1998年11月、A型インフルエンザ感染症に対して効能・効果の追加が行われました。
アマンタジンには耐性ウイルスが出現しやすく、すでに大量のA型インフルエンザウイルスが存在する患者さんに使用すると2〜3日の間に30%の人に耐性ウイルスが出現すると言われています。
アマンタジンの使用は、発症後48時間以内に重症化した患者さんと高齢者に対する4日以内の使用に限るべきと考えられます。使用上の注意では、「発症後48時間以降に開始しても十分な効果が得られないとされている」、と記載されています。なおB型インフルエンザには無効です。
Q.A型・B型インフルエンザに効く薬が、保険で使えるようになったそうですが?
A・2001年からノイラミニダーゼ阻害薬が、成人を対象にインフルエンザの治療薬として認可されました。ザナミビル(商品名リレンザ、吸入薬)とオセルタミビル(商品名タミフル)です。さらに2002年にはオセルタミビルが1歳以上の小児にも使用が認められました。発症48時間以内の場合に使用します。
オセルタミビルは、自覚症状(咳、熱など)の持続時間を、1日以上短縮させるとされています。副作用として吐き気などの消化器症状があります。また、中等度以上の腎障害のある方では減量が必要です。
オセルタミビルは、2001年から2002年にかけての世界の生産量の60%以上が日本で使われたようです。問題点は、耐性ウイルスが高頻度に発生することです。成人で1%前後、小児で5.5%と報告されています。小児でも、低年齢層では更に耐性は上昇すると考えられています。
Q.インフルエンザワクチンは、効果を期待できますか?
A.インフルエンザウイルスは抗原変異を起こしながらヒト社会で流行を繰り返しています。現在のワクチンは、感染既往を持つ場合は効果を期待できるようですが、感染既往のない場合は、効果は低いと思われます。
高齢者においては、入院の危険率をほぼ半減させると報告されており、重症化を防ぐ効果が期待されています。但し、高齢者は成人に比べて抗体獲得率が低いようです。
また、新型の出現の場合には現有ワクチンでは無効です。
ワクチンの有効性については、種々の議論があり、とくに小児のワクチン接種については有効であるという説と無効であるという説があり、現在のところまだ意見が分かれているようです。
参考文献8では、「慢性疾患を有する高齢者など、インフルエンザに罹患した場合に重症化する危険性の高い群においては、特にインフルエンザワクチンによる予防が勧められる」と述べられています。
(参考)
1)「インフルエンザワクチン」武内可尚、小児内科26(11)1867−71,1994
インフルエンザワクチンを推奨する立場で私見を述べておられます。
2)「インフルエンザワクチン」武内可尚、小児科37(10);1157−65、1996
3)「不活化インフルエンザワクチンの現状、問題点と新しいワクチン開発研究の動向」山根誠久、日本臨床55(10):234−239,1997
4)「高齢者におけるインフルエンザワクチンの効果と安全性」池松秀之・柏木征三郎、日本臨床55(10):253−259,1997
5)「インフルエンザへの対応」武内可尚、日本医師会雑誌118(6)825−9、1999
6)「インフルエンザとワクチン」柏木征三郎、JIM 9(11);971−4,1999
7)「なぜ日本政府は義務的予防接種を中止せざるをえなっかたか?臨床医の視点から」山本英彦
「くすりのチェックは命のチェック」第1回医薬ビジランスセミナー報告集p354−8、日本評論社、1999
8)「インフルエンザ」加地正郎・葛西 健、感染症の診断・治療ガイドラインp182−5
日本医師会感染症危機管理対策室・厚生省保健医療局結核感染症課監修、日本医師会、1999
9)「インフルエンザ予防接種慎重に」毛利子来、論壇、朝日新聞、1999年11月29日号
10)「インフルエンザ脳炎・脳症」富樫武弘、日本臨床58(11);2255−60、2000
11)「インフルエンザ脳炎・脳症」森島恒雄、臨床医26(12)2476−8、2000
12)「インフルエンザ」菅谷憲夫、小児科43(12)1849−54、2002
13)「発熱ー診かた・考えかた」小児内科35(1)2003、特集
14)「小児のインフルエンザ」菅谷憲夫、日本臨床61(11)1931−35、2003
結核が、今、再び、注目されている!
厚生省は、結核に対する緊急事態宣言を出しました。高齢者の発症や集団感染が問題になっています。
Q.結核患者は増えていますか?
A.結核は、かって死因の第一位でした。段々減ってきていました。現在、死者は2700人で死因の22位です。
しかし、1980年頃から新規登録患者の減り方が低下。1997年には、0.6%増の4万2700人と38年ぶりに増加。結核罹患率も43年ぶりに増加。
Q.どんな年代に、多いのですか?
A.70才以上の方が、34.4%で最も多い。
高齢の方は、ほとんどが自然感染を受けています。抗結核剤の治療は受けていないが、治癒したと思われる瘢痕病変を持っていていることが多い。
ストレスなどから再燃することが多い。
Q.結核は、感染すると、必ず発病しますか?
A.結核は感染しても、半年から2年以内に発病する一次結核症は、約1割です。
結核の感染を受けた人の大部分は、一生発病することなく健康な生活を送ります。
しかし、高齢になったり、糖尿病になったり、胃切除・腎透析、免疫抑制剤の使用、過労・ストレスなどで、免疫力が落ちると感染後、長い年月がたっていても発病します。これが二次結核症です。
Q.なぜ、若くても発病するのですか?
A. 若い方でも免疫力が低下すると発病しやすくなります。
不規則な生活、栄養や睡眠不足などが原因です。
Q.どんな場合に、結核を疑いますか?
A.2週間以上、咳・痰が続く場合は結核を疑います。
Q.結核の診断は、どうやってしますか?
A.胸部レントゲン検査と喀痰の結核菌検査を行います。胸部レントゲン検査だけでは、結核を否定できません。
結核予防会ホームページ結核について、絵や図表を使って、わかりやすく説明されています。一見の価値あり。
抗生物質
Q.小児が飲んでいると歯が茶褐色から黒褐色になる抗生物質があると聞きましたが、本当ですか?
A.小児で、塩酸ミノサイクリンなどのテトラサイクリン系抗生物質を風邪のたびに服用していると歯の着色がおこります。
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腸炎
Q.感染性腸炎は抗菌薬の使用が必要ですか?
A.細菌性腸炎の原因菌は、カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌などです。通常は、抗菌薬は使用しません。
サルモネラでは、抗生物質療法は、症状、下痢、排菌機関を短縮せず、逆に保菌者を増加すると言われています。
出血性大腸炎(O 157)における抗菌薬の使用の是非は、まだ国際的な結論が出ていません。わが国では下痢発症早期の抗菌薬使用は合併症発症をある程度抑え少なくとも有害ではないと考えられています。
ウイルス性腸炎では抗菌薬の適応はありません。
(参考)
1,「腸炎」高木康雄、小児科41巻6号p924−930、金原出版、2000
2,「出血性大腸炎」城 宏輔、小児科41巻6号p931−937、金原出版、2000
予防接種
Q.ワクチン接種後に、アナフィラキシーショックを起こす原因が明らかになったそうですが?
A.9割は三種混合ワクチンに含まれるゼラチンが原因です。三種混合ワクチンのゼラチンで感作され、麻疹ワクチンに含まれるゼラチンでショックを起こす可能性が高い。三種混合ワクチンを製造しているメーカーは、98年9月現在、6社ある。千葉県血清研究所と北里研究所の製品は、元々ゼラチンが添加されていない。それ以外の化学及血清療法研究所、デンカ生研、阪大微生物研究所はゼラチンを含まない製品に切り替え、既に発売している。なお抗ゼラチンIgE抗体の検査(保険点数170点)もできるようになった。
Q.BCGは本当に有効ですか?
A.「結核(第3版)」(泉 孝英、網谷良一編集、医学書院、1998年)を参考にします。現在BCGは義務(強制)ではなく勧奨(任意)接種です。有効性に関しては全く無効から防御率80%に至るまで、さまざまです。BCGの予防接種に関して決して一定の評価が与えられてきたわけではありません。BCGは、報告された当初から、結核に対する予防効果については疑義はあったものの、患者を隔離する病床数が少なく、有効な治療法もなかった時代には、BCG接種がただ一つの積極的な対策であるという事情から行われてきました。
BCG接種の有効性に疑問を持つ医師も少なくないのですが、結核性髄膜炎の予防という面では、乳児期BCGの接種は必要と考えられています。
Q.日本脳炎ワクチンの接種が中止になるって、本当ですか?
A.厚生労働省は2005年5月30日、日本脳炎ワクチンについて、積極的な接種の勧奨を中止するよう、市町村に緊急の勧告を行いました。事実上の中止勧告で異例の措置です。山梨県甲斐市の女子中学生が、2004年接種後に神経障害が起きる急性散在性脳脊髄炎(ADEM)になり、寝たきり状態になるなど、これまでになく重い症例であったため、接種シーズンを前に勧告した。(中国新聞5月31日より)
厚生労働省の報告では、1991年(平成3年)以降、日本脳炎ワクチンによる健康被害は13例(うち重症例4例)。「急性散在性脳脊髄炎は、従来、予後は良好と考えれてきたが、5例目の重症な事例が認知されたため、積極的な接種勧奨を差し控えるべきと判断した。」と厚生労働省通知では、述べられています。急性散在性脳脊髄炎では、ワクチン接種後4〜21日目に、脳炎症状(頭痛、嘔吐、痙攣)や脊髄症状(両下肢麻痺、排尿障害)をきたします。
現在の日本脳炎ワクチンは、製造の過程で微量ながらマウスの脳組織成分が混入する可能性があり、この成分によってADEMが起こる可能性が否定できないとされています。
かぜの薬
Q.小児では、熱を下げる薬は何度から使いますか?
A.発熱は不快な症状ですが、体の防衛体制をつくるための大切な反応でもあります。小児の高熱は、必ずしも重病を意味しません。また、41℃までの発熱が脳を障害することはありません。熱性けいれんを起こしやすい場合や、熱のため消耗し苦痛がある時に使用します。通常は38.5〜39℃で使用しますが、熱があっても一般状態がよく元気な子どもに使う必要はありません。
鎮痛剤(痛み止め)
Q.鎮痛剤でめまいがおこることがありますか?
A.非ステロイド系消炎鎮痛薬は、中枢神経系の副作用としてめまいを生じる場合があります。リウマチなどで薬を飲んでいて、頑固なめまいが続く場合、薬の可能性も考えてみる必要があります。