私がレッスンに使用しているエチュード・教則本

 (生徒に用いる順に沿って)
★F.SIMANDL;NEW METHODE FOR THE DOUBLE BASS(1・2巻)
プラハで学んだSIMANDL(1840〜1912)が書いたコントラバス入門の為の教則本の定番。指の形、ポジション感覚の基礎を形づくるのに最適。1巻の初めの部分はリズム変化に乏しいためにリズムパターンを工夫してヴァリエーションを創って様々なリズムのボーイングの練習が出来るようにするとよい。2巻の親指のポジションになると指使いに一貫した法則性がなく1・2を多用し過ぎるため指・手のひらの形を定めることが出来ない。1巻は世界中の教師が「他にもっと良い教則本はないのか?」と思いつつも使っている。(日本語訳付)(CARL FISHER)
★F.SIMANDL;30 ETUDES FOR THE STRING BASS
コントラバス入門の為のエチュードの定番。表書きには正確なリズムと正しい音程・豊かな音を培うためのエチュードとある。(CARL FISHER)
★J.HRABE;86 ETUDES (1・2巻)
プラハのコンセールヴァトワールの教授HRABE(1816〜1870)(SIMANDLの師匠)が書いたエチュード。親指のポジションを始めたばかりの人のためのローポジションとハイポジションのコンビネーションの練習には最適。同じパターンの繰り返しが多いので反復練習には最適だが退屈するのも早い。現在出版されているものはシマンデルが指使いを書いているためハイポジションでの指使いは検討の余地あり。(CARL FISHER)
★OTTO.RUEHM;PROGRESSIVE ETUEDEN  FUER  KONTRABASS(1巻〜5巻)
ウィーンのコンセールヴァトワールの教授だったO.RUEHMが書いた。シマンデル1巻を終えた人に最適。チェロの為のいろいろな教則本から引用しコントラバス用にアレンジしたもの。要所に指使いがきっちり書き込まれており、その指使いも良く考えられている。シマンデル2巻と対照的にハイポジションで3・4を多用。ハイポジションでの手のひら・指の形・手首の構え等を決めるのに最適。音楽的にも変化に富んだものが揃えられていて色々なボーイング・パターンを習得できる。東京芸大の入試の課題に毎年出題されている。(VERLAG DOBLINGER)

G.BOTTESINI;METHOD FOR DOUBLE BASS (1・2巻)
1巻はローポジション用だが実に様々な調性で奇抜な転調を含んで書かれている。音楽的にも変化に富んだものが揃えられていてリュームのプログレッシブ・エチュード同様色々なボーイング・パターンを習得できる。2巻はハイポジションで難易度の高いモノが突然出てくるので僕はリュームのプログレッシブ・エチュードやフラビエの86エチュードと併用する形で使っている。自然ハーモニクスの練習曲としては難易度最高のものが十数曲ある。左手指先が松ヤニだらけになること間違いなし。 (YORKE  EDITION)(RICORDI版も有り)
★R.KREUTZER;18 ETUEDEN
ヴァイオリンの為の定番教則本をドレスデン響の首席だったH.ヘルマンがコントラバス用にアレンジしたもの。様々な基礎的ボーイングの技術の習得に最適。ディタッシェ、マルカート、スタッカート、マルテレ、ジャンピングボウ、移弦、一弓スタッカート等々。ただしコントラバスで弾くには跳躍音や分散和音等を弾くことが難しいため全くの初心者にとっては難し過ぎる教材。(VERLAG  HOFMEISTER)
★F.PETRACCHI;SIMPLIFIED  HIGHER TECHNIQUE
ハイポジションの手の構え・指の形・ポジションチェンジの習得に最適。ハイポジションでの指の構えを3パターンに分類してそれぞれを徹底的に形で覚えてしまおうというもの(シュトライヒャーのメソドと全く同じ)。指の水平方向の移動(移弦)・垂直方向の移動(一弦上)を効率よく練習できる。純粋にテクニカルな練習になっているので全てを学習するには忍耐が必要。僕の生徒の必修教材。(YORK EDITION)
★J.M.ROLLEZ; METHODE DE CONTREBASSE(1巻〜3巻)
一巻は「ローポジションでの移弦」と「左指と右手のジャストミート」の徹底トレーニング。ポジションチェンジは全くない。同じポジション内での様々な移弦・指の動きのパターンが延々と続く。全部練習する必要はなく弾いてみてうまく弾けないものだけを徹底練習する。2・3巻は3オクターブに及ぶ音階とアルペッジオが全ての指使いとともに書かれている。なかなか合理的なものなので指使いがわからないとき参考になるかもしれない。(日本語説明付き)(GERARD  BILLAUDOT , EDITEUR)
★F.SIMANDL;GRADUS AD PARNASSUM(1・2巻)
シマンデルの1巻を終えてからの教材。様々な指の動き・移弦・リズムのパターンを組み合わせた練習曲集。一つのパターンが延々2〜4ページ転調を重ねて続くので指の基礎体力向上・集中力・忍耐力を培うのには打ってつけだが、飽きも早い。ハイポジションでの指使いは検討の余地あり。
(VERLAG  HOFMEISTER)
★T.FINDEISEN;DER LEHRER DES KONTRABASS-SPIELES(1巻〜5巻)
O.リュームのプログレッシブ・エチュード同様にハイポジションで3・4を多用。ハイポジションでの手のひら・指の形・手首の構え等を決めるのに最適。ゆっくりしたテンポのカンタービレなパッセージもあるため僕はビブラートや遅い弓の練習教材として抜粋使用している。音楽的にも変化に富んだものが揃えられている。あまりに色々なパターンの練習曲が用意されているので少々くどい。(VERLAG  HOFMEISTER)
★E.NANNY;DIX  ETUDES- CAPRICES
パリ・コンセールヴァトワールの教授が書いた、難易度最高のエチュード。パガニーニの独奏ヴァイオリンの為の24のキャプリースのコントラバス・バージョン。「見開き2ページが全てが16分音符で真っ黒」とか「メロディーが出れば全て重音」っと言う具合。僕のもとでここまで到達した生徒は数名しかいない。(ALPHONSE  LEDUC)
★BOZZA;8 ETUDES POUR CONTREBASSE
フランスの作曲家がコントラバスのために書いた練習曲集。コンチェルトのカデンツァっといった雰囲気の自由な曲想のエチュードで、このように速いテンポの複雑な変拍子が含まれているものは他にはない。(ALPHONSE  LEDUC)
F.RABBATH;NOUVELLE TECHNIQUE DE LA CONTREBASSE(1巻〜3巻)
第3巻はありとあらゆる指使いの可能性を3オクターブ・全調にわたり探り、その全てを網羅している音階教本。見ただけで卒倒しそうな位そのフィンガリング・パターンは多岐をきわめる。その上その音階全てを282通り!のボウイング・ヴァリエーションを組み合わせて、同じものは二度と弾かないように毎日組み合わせを変えて練習せよという偏執狂的教本。「楽器を弾くということは?」「練習とは?」「難しいとは?」「即興演奏するためには」等に言及する巻頭言は興味深い。また1巻、2巻にある彼独自の指付け・移弦の仕方は利用価値あり。また各巻に彼の楽器・腕・指の構え方がわかる写真が付いていて、その変則的な構えはおもしろい。(LIBEN MUSIC PUBLISHERS)

   

    


私がかつて勉強したエチュード・教則本

★I.BILLE; 24 STUDI-CAPRICCI
ハイポジションでのアルペッジオや大きな跳躍等超ハイテクニックを要求する曲集。ペトラッキやシュトライヒャーのメソードを用いないと弾けない。(RICORDI)
★F.CERNY; TECHNICKE STUDIE PRO KONTRABAS
ヘルトルと並ぶプラハ派を代表するコントラバス奏者が書いた殆ど音階のような教則本。いささか退屈。(EDITIO  SUPRAPHON  PRAHA)
★D.MCTIER; DAILY EXERCISES FOR DOUBLE BASS
3度、5度、オクターブ!の重音でのスケールなど大変高度なテクニックを要する。たった12のパターンだけだがそれぞれの注意書きや前書きは簡潔だが要を得ている。(MCTIER  MUSIC)
★L.STREICHER;MEIN MUSIZIEREN AUF DEM KONTRABASS(1巻〜4巻)
(日本語版は1巻にまとめられている)
第一巻での弓の持ち方・楽器の構え等は写真付きで初心者にも分かり易い説明。前述のPETRACCHIのSIMPLIFIED  HIGHER TECHNIQUEと同様にハイポジションでの指の構えを3パターンに分類してそれぞれを徹底的に形で覚えてしまおうというもの。ペトラッキのものに較べると各ポジションを低い方から段階を追って様々な練習曲が多数出てくるので少々くどい。逆にペトラッキのものは最初のエチュードから指板の端のGまで登っていってしまうのでハイポジションに慣れていないうちは体力的にきつい。シュトライヒャーのこの教則本は多くの独奏曲やオーケストラパートを引用して難しい箇所の練習の仕方を具体的に楽譜で示してくれていて非常に参考になる。(日本語版有)(VERLAG  DOBLINGER)
★E.NANNY; VINGT ETUDES DE VIRTUOSITE
前述のエチュード・キャプリースより幾分やさしい。元気良く指板の上を駆け回るといった左手の機動性を鍛えるためにはよい。(ALPHONSE  LEDUC)
★L.MONTAG; KONTRABASS-SCHULE(1巻〜4巻)
ハンガリーの名手モンタークの書いた教則本。段階を追って基本リズム・基本ボーイングが教えられ、例題のようにオーケストラパートが示されている。上手に割愛して練習すればなかなかよい。
(EDITIO MUSICA  BUDAPEST)
★A.STARKE; TECHNISCHE STUDIEN DURCH ALLE TONARTEN FUER KONTRABASS
2オクターブまでの音階に指がつけられている。ネックの付け根から親指ポジションへの移行部分の指使いは検討の余地有り。(VERLAG  HOFMEISTER)
★H.SCHNEIKART; SKALEN UND AKKORDSTUDIEN
全調の音階(旋律的短調・和声的短調共)長3和音・短3和音・属七・増3和音・減7等々ほとんど全ての形態の分散和音が書かれている。指使いの参考資料にはなる。 (VERLAG  DOBLINGER)
★F.ZIMMERMANN; A CONTEMPORARY CONCEPT OF BOWING TECHNIQUE
FOR THE DOUBLE BASS
多くのオーケストラスタディー引用例からその移弦の動きのパターンを図解しているが、図解してもらっても弾けるようにはならない。途中に数ページ書かれている練習課題は同じポジション上で移弦の動きのみを取り出して練習できるので練習価値有り。ほとんど同じものがROLLEZ(ロレ)の教則本1巻にずっと豊富に載せられている。(LEEDS MUSIC  COMPANY,NEW YORKE)


その他 

★永島義男;朝練コントラバス(毎日の基礎練習30分)
楽器を始めるときの素朴な疑問(松ヤニ、駒、手入れ方法等)の答えが用意されていて、楽器の構え方・弓の持ち方・左手・ピチカート等写真入りで簡潔に説明されている。(全音楽譜出版社)
★稲垣卓三;わかりやすいコントラバス教則本
ソロコントラバス奏者・作曲家・指揮者として活躍する氏の演奏法が自作の練習曲と共に写真入りで平易に書かれている。オーケストラパートの指使いも例示されている。
(佼成出版社)
★高西康夫;低音大提琴基礎教範巻一
朝練コントラバス同様極々入門者用の手引き書。(M&H)
★C.FLESCH;DAS SKALENSYSTEM (ARRANGED FOR BASS BY GERD REINKE)
ヴァイオリンの為に書かれた音階教本を元ベルリンオペラ首席のゲルト・ラインケがコントラバス用に書き直したもの。全てを学習するには特にハイポジションで相当高度なテクニックを要求されるが自分の弾ける音域に限定して、書かれているボーイングパターンを練習するにはなかなかよい教材。
(RIES&ERLER/BERLIN)
★K.TRUMPF; COMPENDIUM OF BOWING TECHNIQUES
FOR THE DOUBLE BASS(1・2巻)
1巻は2オクターブのスケール、3度のゼクエンツ、分散和音に指がつけられている。2巻はディタッシェ、スタッカート、ポルタート、マルテレ、ソティエ、リコルシェetc.様々な種類のボーイングを言葉での説明付きで練習課題が示されている。クロイツェルの1番のヴァリエーションも引用されていてどの種類のボーイングを使うのかが仔細に書かれているがやはり言葉ではわかりづらい。身近なヴァイオリニストに頼んで弾いてもらい実際見る方が早いかもしれない。 (VEB  DEUSCHER  VERLAG)
★A.MENGOLI; 20 CONCERT STUDIES
変化に富んだ表情の美しいメロディ、様々なリズムとボーイングパターンを要求する教本で素晴らしいが上級者向け。ペトラッキが良く考えられた指付けしている。(YORKE  EDITION)

★I.CAIMMI; ADVANCED TECHNICS OF THE DOUBLE BASS(20 STUDIES)
ペトラッキの師CAIMMIが書いた非常に難しいエチュード。MENGOLIのもの同様上級者向け。

★G.KARR; DOUBLEBASS BOOK (1~3) Music by Alice Spatz & Paul Ramsier
コントラバス界のトップリーダー、ゲーリー・カーが子供のための教則本として書き下ろしたもの。
親指ポジションへの恐怖感(彼はそう名付けている)を子供に持たせない為と、子供に取って一番辛いハーフポジションからの練習開始を避けるためいきなり親指のポジションのハー
ニクスから始まるユニークな入門メソード。(Amati Productions, Oakdale, California)
★C.EMERY ; "Bass is Best! " edited by Rodney Slatford
幼い子供への楽譜の読み書きトレーニングも並行してできるよう工夫された子供用入門書。足踏みを挿んだり楽しくレッスン出来るように工夫されたリトミックなトレーニング、子供達の良く知っている童謡を使ったものをたくさん利用している。また教師も一緒に弾いたり、ピアノ伴奏もつけて楽しんで演奏出来るように工夫された教則本。(Yorke Edition)


プロフィール/コントラバスの部屋/教則本/僕の弾いているコントラバス達/泉の森フェスティバル/ギャラリー/ワンランクアップ丸秘特訓法/アンサンブルクヴェレ/ 大阪センチュリー交響楽団/僕のコントラバス奏法/パーツ研究/コントラバスあぶない楽屋裏話/コンサートホール/博物館/MIDIの部屋/記念リサイタル/BBS電子掲示板コントラバス弾きの広場/BBS「コントラバス演奏会情報」/FAMILY/魔運転バイクの部屋/LINKS