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Double bass by Domenico Montagnana(ドメニコ・モンタニアーナ)Venice 1708〜1756

[渦巻]Scroll
普通は二回転半?渦を巻いている。その形は一見同じように見えるが製作者の個性が非常に良く表れるところで見比べると面白い。 人の顔やライオンの頭が彫刻されている物もある。僕のGiuseppe Sgarbi(1848)の頭部には素晴らしいライオンの頭が彫られている。また僕の愛器Domenico Busanは渦の巻きが一回転多くて三回転半しているのが特徴。

[糸倉]Pegbox
弦を巻くピンを留めるところ。古い楽器になると磨耗や弾き易さの改善のためにネックを付け替えることがよく行われるがそういう場合この糸倉と渦巻きだけは作り替えずに必ずオリジナルを残すようにして修理改造される。そういう楽器ではこの糸倉を見ると元は3弦コントラバスであった物、元は4弦だったものを5弦にした物など、元のピン・ホール痕が見つけられて面白い。

[ペグ]Tuning Peg
ネジと歯車を取り付けてある金属プレート全体をMachineheadという。ネジと歯車は鋳物で作られるが専門家が見れば何処の国製かがわかって古い楽器の場合修理された国など想像できて面白い。
弦の心棒への巻き方はこちらを。

[上駒]Nut
通常糸倉の横棒(糸巻き)、テールピース、エンドピンの軸受け等と材質を揃えて黒檀・ローズウッド・黄楊(つげ)等の硬い木で作られる。ここの部分で弦の指板からの高さを調節する。高すぎると特に低いポジションで弦を押さえにくくなる。

[指板]Fingerboard
普通は磨滅しにくい固い素材の黒檀で作られているが普通の木材のラッカー仕上げの物もある。指板の表面は完全な直線になっていてはダメ。指板を楽器の上方、渦巻きの上から眺め下ろして上駒〜指板〜駒とほぼ一直線上に透かして見て、弦が鏡のような指板に直線で映って見えていてはダメで、中央部分がへこんだ緩やかなカーブを描いて見えなければならない。指板は中央・ネックの付け根付近が僅かにへこんでいる状態でないと弦高を低くしたとき弦が指板にあったってビリつく原因となる。ただしラッカー仕上げの物はこの調整は不可能。

[ネック]Neck
楽器本体への取り付け角度や楽器本体とネックの長さの比率は弾き易さに非常に影響を及ぼす。一般的にはネックの付け根に左親指をあてた時小指がG線上のEに来るような比率(Eメンズーア)の長さのネックを付けるがボディーが非常に大きい場合などあまり弦長を長くすることは演奏に支障をきたすため、ネックを短くせねばならずEsメンズーアと呼ばれる物や希にDメンズーアというものもある。
また楽器本体との取り付け角度は駒が高くなるほど(ネックの取り付け角度がきつくなるほど)ハイポジションが弾き易くなるが弦の張力が増し箱を締め付けるることになり楽器の鳴りが悪くなる。

[表板]Top,Table or Belly
普通松科のスプルースを使用する。一般に中央縦一直線の部分で二枚の板を張り合わせ彫り出して作られる。僕のGiuseppe Sgarbi(1848)は中央にはつなぎ目がなく両端から4分の1の所で左右それぞれもう一枚の板を接ぎ作られている変わった楽器。

[裏板]Back
ヴァイオリン族(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ)はアールのついた膨らみを持つタイプしかないが、コントラバスはヴィオール族のヴィオローネの名残から平らな板を使ったフラットタイプと呼ばれる楽器が多く作られている。このタイプの楽器は裏板の内側にBrace(肋材) と呼ばれる支柱となる板が貼り付けられている。一概にどちらがどうとは言えない。僕の弾いている楽器ではGiovanni Maria del Busetto、センチュリー交響楽団のSEITZ, BARDER がこのフラットタイプ。

[側板]Rib
普通裏板と側板は楓(かえで)を使用するので虎斑模様と呼ばれるカンナがけの時に現れる美しいしま模様が見られる。僕の愛器Domenico Busanは非常に変わった楽器で裏板も表板と同じスプルース板から作られていて木目や木の節などほとんど同じ。隣合わせに木取りされた板4枚で作られたと思われる。

[F字孔]F-holes
楽器の箱の中の振動を前方にとばすための孔。17世紀まではC字孔、逆C字孔等いろいろなデザインのモノがあったが徐々に統一され現在のF字孔に落ちつく。F字孔はフィメール(女性)の頭文字のFだという説があり、女は楽器である?!という話も・・・。僕の弾いている楽器ではGiovanni Maria del Busetto 1660 に梵字?のような変わった形の孔があいている。

[魂柱]Sound post
英語で別名スール、仏語でame(エーメ)とも呼びともに魂・霊魂・命という意味で、その銘々から想像できるとおり楽器の鳴り方を決めてしまう大事な木の棒。木目のきれいなスプルースで作られている。この魂柱の長さと直径・何処に立てられるか等で楽器の鳴りは劇的に変化する。駒に近づければ音は硬く遠ざければやわらかくなる。表板の厚さとその盛り上がりの度合い・駒の種類などにより一概には言えないが、一般的には駒のG線側の足の真下から駒の厚さ一枚分下あたりがベストポイント。素人が勝手にいじらない方が正解。もし倒れてしまった場合は針金などを魂柱に残っている取り付け金具の痕に差し込んで先ほどの位置に立てること。立てないで弾いていると表板が陥没してしまう。

[バス・バー]Bass bar
駒のE線側の足(魂柱で固定されているのとは反対側の足)の真下、表板の裏側に縦にニカワで貼り付けられているやはりスプルースで作られている両端は薄く作られた肋材。表板にかかる圧力を裏側から支えかつ効率よく振動させるためのモノ。近年弦がスチール化されネックの角度がきつくなったのにともなって表板への圧力が増大し、大きく長いものに換えられたオールドが多い。張力の弱いガット弦を張るのであればバスバーは元の薄くて短いものに戻さないと鳴りが悪いのではないだろうか。

[駒]Bridge
この部分も楓(かえで)もしくはもみじで作られる。指板の方に面した平面は丸くカーブをつけて削られるが反対側は全くの平面になっている。駒の上部、弦を載せるための溝はちょうど弦の直径の半分でなければならず、また弦の高さは指板の端で弦の下端までがG線で7mm、D線8mm、A線9mm、E線10mm位が標準的な高さで、そのように高さを調整する。その足は表板の表面にぴったりアジャストするように表板にサンドペーパーを載せて足の下を削るとよい。

駒の調整の仕方はこちらに詳しく書いています。

[緒止め]Tailpiece
普通はスプルースもしくは柘植で作られる。僕はSgarbi、Busan共にチタン製の緒止めを使用している。楽器との相性がありひどく金属的な音色になってしまう楽器もあり値段が高いこともあってあまりオススメではない。緒止めと駒の間の弦の長さが楽器の鳴り方・音色に影響するという説 がある。因みに僕の楽器はBUSAN,SGARBI共に開放弦のちょうど長3度上(その2オクターブ上)が鳴る長さになっている。倍音に共鳴し響きが良くなるのかもしれない。緒止めの弦を止める部分が上下に可動式になっていてその長さを調節できる緒止めもあるがその効果のほどは定かではない。

[サドル]Saddle
緒止めのワイヤーが表板に食い込まないように固い黒檀でできた部分。弦の張力が強すぎて鳴りの悪い楽器の場合ここの部分を背の高いモノに変えて緒止めの取り付け位置を上げ、駒の部分での弦の折れ曲がり角度を大きくすることによって 張力を下げるということも可能。

[エンドピン]Endpin
木製・薄いアルミもしくは鉄製のパイプでできている。横からネジで留める。最近このパイプがチタン製のもの、タングステン製のものなどが使われ始めている。どちらも劇的な効果が現れるモノではないが強いていえばチタン製は柔らかな広がりが出て、タングステン製は音にクリアな芯がつく、っといったところか。ちなみに僕はSgarbi、Busan共にチタン製のエンドピンを使用。

 
 

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