2 ワインテイスティングの準備をする 何が必要か

ワイングラス
   リーデル・ブルゴーニュグラス
 ソムリエコンクールやフランスのAOCの検定などの際に使用されるテイスティング用ワイングラスは、通称INAO(イナオ)グラスと呼ばれるものです。このグラスは、L'Institut National des Appellations d'Origine(フランス国立原産地呼称協会)がテイスティングを全て同じ条件にするために開発したグラスです。世界的に普及しており、日本でも1,000円程度で購入できる便利なグラスです。もちろんこのグラスでなければワイン・テイスティングが出来ない、というものではありません。ただ、先が細まっているために香りが立ちやすいこと、中央部の膨らみ具合が色調を判断するのに容易であること、少量のワインでで機能が果たせること、などを総合すると、もっとも使いやすいグラスといえます。ただ、これでなければワイン・テイスティングができない、ということではありません。ブルゴーニュの地下のワイン蔵に通されると、よくわたされるのは、いわゆるブランデーグラスです。これだともっと香りが集まりや すくなります。
 もし、ワイン・テイスティングが、友達同士の集まりの中で行われたりする場合や、またレストランでお客様を集めて、ワインの最高の状態をつくるためのグラスを使いたいのであれば、僕はリーデル社のグラスをおすすめします。これはオーストリアのグラスメーカー、リーデル社が各地方のワインの特質を徹底して研究した結果出来上がったクリスタル・ワイングラスです。高級品のソムリエシリーズと、スタンダード版のヴィノムシリーズとがありますが、機能だけで考えればヴィノムシリーズで充分です。ちなみに我が家のホームパーティーでは、ヴィノムシリーズのブルゴーニュ型グラスを使用しています。外見も充分美しいグラスですが、ワインを飲む最高の道具として開発され、ふつうのチューリップ型グラスと比べると倍くらいの香気が感じられます。3,000円〜4,000円という小売価格を考えても最高のコストパフォーマンス、お買い得品といえると思います。
なおテイスティングの前に、必ずグラスは、臭いが付いていないか、チェックしなければなりません。
タストヴァン?
 よくソムリエが首から下げている銀色の小皿のようなもの、それがタストヴァンです。その昔、フランスでワイン蔵に働く人たちが、暗い蔵の中でろうそくの光を照らしてワイン・テイスティングを行うときに、小さな光でも反射して色を見ることが出来るように工夫して作られたものです。現在は、蔵の中も電灯がともるようになってきているし、グラスも安くなったのでタストヴァンでテイスティングすることはなくなりました。
 ボーヌに旅行したことのある人は、有名なオスピス(慈善病院)の隣にあるマルシェ・オー・ヴァンという一通りブルゴーニュの各村のワインを試飲できる場所に行かれたことがあるでしょう。そこでは、試飲用にタストヴァンがもらえます。だから、ここを訪問した人は、今でもこれが使われているかのように錯覚してしまうかもしれません。これは、あくまでもおみやげ用です。念のため。でも、インテリアやコルク置きとしてはとてもおしゃれです。
テーブル
たとえ椅子が無くても、テーブルはあった方がよいでしょう。その際、白いテーブルだとベストです。ワインの色は白いものを通して判断するからです。テーブルが有れば、ボトルもグラスも置くことが出来るし、メモも取りやすくなります。もし、机が木目など色が付いているものであれば、白い紙をのせればOKです。机がなければ、ノートを白い台紙代わりに使って色を判断します。
クラッシャー(吐器)
本格的なワイン・テイスティングの基本は、飲み込まずに吐き出すことです。「ワインを楽しむ会」であればもったいないことですが、プロのティステイングとなると1時間で20〜30種類のワイン・テイスティング、ということもあります。当然飲んでいたら仕事にならないわけです。このことは、逆にアルコールに弱い人でもワイン・テイスティングは可能だ、ということです。本場ヨーロッパの樽貯蔵庫でのワイン・テイスティングでは、石砂利の地面に吐き捨てます。慣れた人だときれいにピュッと出ますが、なかなかこれも難しいものです。これがうまくやれると、「できるな」と思われるでしょう。
クラッシャーは、よくアルミやステンレスのワインクーラーが代用されます。イメージさえ気にしなければ別にポリバケツでも構いません。最近は、大きめの紙コップが一人一人に渡されて利用されることも多くなりました。
シャトー・ラトゥールや、シャトー・マルゴーが平気で吐き捨てられるようになったら、あなたもプロになったと自覚できるかもしれません。
でも普段の家庭やレストランでの数種類程度のワイン・テイスティングであれば、無理して吐き出すことはもったいないですから、造った人のためにも呑んじゃいましょう。
 
ワインオープナー
プロ仕様のソムリエナイフ
フランス製超高級品
シャトー・ラギオール
購入希望者
スペイン製高機能
トレロ・ソムリエナイフ
購入希望者
いわゆるコルク抜きです。今回のワインブームでもっとも豊富になったものがこの分野でしょう。折角ですからいつまでもT字型のメーカーの景品でなく、本格的なものを揃えたいものです。
この分野の最高峰は、フランスの職人手造りによるシャトー・ラギオールです。ハチがシンボルマークとなっていてとても手に馴染みやすいものですが、安いものでも2万円近くします。そのほか、ドイツのヘンケル製など日本でも手に入る物が種類が多いですが、最近の注目株は、スペイン製のトレロでしょう。これは、テコの部分が2段になっているために、長いコルクもおれることなく引き抜くことが出来ます。そのほか国産品でも良いものがたくさん出ています。
テイスティング・ルーム
専門の施設などではテイスティングルームをつくっています。理想は摂氏20度、湿度65%、自然光に近い照明(蛍光灯は良くない)。配水施設、などとなっています。
 

テイスティングルーム

INAOの施設 ボルドー大学
 モデルは私
 
これらのグッズは現在Internet通販で購入できます。

次は、いよいよ実践講座です。