3ー2 香りのチェック・ポイント
香りのテ−スティングこそ、ワインのテ−スティングがほかの酒類と比べてもっとも奥行きの深さを示しているものです。これを正確に行うために、テ−スティング中のタバコやコ−ヒ−は厳禁です。注意しなければいけないのは、ワインは空気に触れることによって徐々に香りが変化する、ということです。香りの解釈には、しばしば“第一香”と“第二香”そして“第三香”に分類されて表現されます。

第一香

 グラスを、鼻に近づけてください。このとき、グラス中のワインを動かさないようにしてください。この時の香りが、第一香と呼ばれるものです。この香りは、生のぶどうをかじったときに感じられる香りにもっとも近いもので、そのぶどうの本来の性格が感じられるものです。例えば、ボジョレ−のガメイ種には、バナナのにおいがする、等です。
 まず、香りの強さの度合いを評価し、それから果実香の種類(柑橘系か、プラム系かなど)を感じ取ります。

第二香

 グラス中のワインを回すようにしてください。このようにすることによって、香りは前より何倍も強くなり、しかも空気中の酸素とよく触れ合うために、さまざまな香りが現れてくる、といわれています。ワインが若すぎる場合には、潜在能力があっても、現れる香りがあまり強くないことがよくあります。このことを、“香りがまだ閉じている”と言い表します。
 ここでは、単純な果実香以外のものが出てくるかを感じ取ります。まず花の香りの種類(白い花か色合いの濃い花か)草の香りがあるか、木の香りがあるか、土の香りがあるか、スパイスの香りがあるか、皮や動物系の香りがあるか、またその複雑さの程度はどのくらいか、などです。下に書いてある香りの分類を参考にして下さい。

第三香

 一通りのテイスティングが終わって、30分以上グラスが放置できれば、その時に第三香が確認できます。これは、若いワインが今後より熟成をした時の香りが出てきます。熟成タイプのものでは、よくキャラメル香などが出てきます。

 

香りを評価するときの注意点

ボルドー大学のテイスティングシートの香りの項目をみると、どのように注意してテイスティングしなければならないかが、よくわかります。いきなり何の香りがする、というのではなく、その前により客観的な評価をしなければいけない、ということです。(趣味のテイスティングでは、全く無視して良いことですが。)ボルドー大学のテイスティングシート
 
その順番によれば、まずきれいな香りの印象を与えるモノかどうかです。一般に
汚い、普通、きれい、の3段階かそれに「少し」、を加える程度でよいでしょう。
 
次に、香りの強さ加減です。これはとても重要です。
香りの強さは、一般に
無い、弱い、ふつう、やや強い、強い、とても強い(フランス語では最上級でよく「スーパー!」 "superbe!")といいます。
 
次に香りの分類で、これは、前の第1香〜第3香までを下の表に従って分析していきます。そして、複雑さの判断も重要な注意点です。
 
最後に、もし悪い要素が有ればその分析もします。


香りの分類

香り

特性

品質

ワイン

(果物系)      
あんず 弱い酸味 全ての白ワイン
熟成した赤
りんご 酸味 若飲みの白ワイン
パイナップル 弱い酸味 フランスの白ワイン
マンゴ 酸味 若い独ワインやアルザスワイン
サクランボ 苦味 特良 ピノ・ノワ−ル(ブルゴ−ニュ)
梅(梅酢) 酸味 ピノ・ノワ−ル
バナナ 還元 赤の新酒、特にボジョレ−など(花類)
アカシア 弱い酸味 特良 偉大な白ワイン
ばら アルコ−ル カベルネ・ソ−ヴィニヨン、ゲベルツトラミネール
       
(スパイス系)      
ヴ゛ァニラ 木香還元 特良 樽熟されたワイン
アニス 弱甘味 特良 長命な赤白ワイン
丁子 スパイス 若いカベルネ・フラン
       
(植物系)      
くるみ 還元 わかいワイン
干し草 揮発 疲れた白ワイン
ピーマン 弱い酸味 未完熟、水分過多のカベルネ
       
(動物系)      
じゃこう 熟成 特良 偉大なブルゴ−ニュ赤
なめし革   ブルゴ−ニュ赤、サンテミリオン
       
(その他)      
バタ− 還元 特良 偉大なブルゴ−ニュ白(モンラッシェ等)
煙り(土) 還元 グラ−ブ(ボルド−)等
キャラメル 熟成 特良 熟成された高級赤ワイン
       
 
次は、いよいよ味わいです。