第4章 ワインの味と香りに関係する要素

1ビンテージ

ブルゴーニュ地方ヴォーヌロマネ村の特級畑を望む
1990年、最高のビンテージの収穫を1週間後に控えた

有名なロマネコンティは、中央左側のほんの一握りの場所
コート・ド・ボーヌは収穫が開始された
いわずと知れたビンテージは、ワインにとってとても大きな要素です。
ビンテージだけで専門書が出来上がってしまいます。そこでここでは、ビンテージのどの要素がワインの味に関係してくるかについて触れます。
セパージュとの関連性
まず、ビンテージについて考えるとき、その基本として知らなければいけないこととして、ブドウの発芽や開花、そして収穫の時期というのは、ブドウの品種によって違いがある、ということです。

普段ワインとして接することのあるブドウの品種で一番最初に発芽するのは、ロワール地方や、ジュラ、サヴォア地方で育てられている「シャスラ」という白ブドウです。
収穫時に雨が降った、といっても、どの品種の収穫の時かによって状況が変わってくる、ということです。だから、ビンテージは、常につぎに出てくるセパージュと関連させて考えなければいけない要素です。

一番わかりやすいのは、ボルドーにおける早熟のメルローと晩熟のカベルネ・ソーヴィニヨンの関係です。
フランスでは、ブドウの収穫時の9月から10月にかけての時期が雨が降りやすい危険な時期です。
メルローは早熟で一般に9月の初旬から中旬にかけて収穫が行われます。カベルネはそれよりも遅く9月の下旬から10月にかけて収穫されます。そこで、メルローの収穫の終わった9月の中旬から急激に長い雨が降るとメルロー主体のシャトー(主にサンテミリオンやポムロールなど)とカベルネソーヴィニヨン主体のシャトーでは、出来上がるワインの品質が大きく変わってきます。
 94年のボルドーはそのような典型的な年であったようです。相場としての価格はどうしてもメドック主導で動くためにこの年の右岸のワインは、左岸のメドックに比べてお買い得感があります。最も新しいビンテージの98年も同じ傾向にあるようです。
 ただし、80年代以降のワインはとても技術が上がってきて、雨の多い年でもどのような造り方をすればまとまりのあるワインが出来るか、ということが判るようになってきました。ですから、良い造り手のワインはオフ・ビンテージでも裏切られることはあまりありません。オフ・ビンテージこそ造り手の真の力量が問われる年なのです。
 
1年の気候周期

1年のなかで、ぶどうに影響を及ぼす時期と要素がいくつかあります。

初春の霜害
ぶどうは、3月頃から発芽を始めますが、ぶどうの品種により、時期にバラツキがあります。いずれにせよ、発芽したてのときに霜が発生すると、芽が負けてしまうことが多く、これが秋の収穫に大きく響きます。発芽の時期の遅い品種は、この心配が少なくてすみます。
初夏の雨
5月末〜6月の時期が開花期です。この時期に雨が降ると、花粉が流れて収穫量が減ります。(結実不良)
夏の暑さ
ぶどうの糖分熟成に一番重要なのは、7月から8月にかけてのこの時期です。ただ、あまりに暑すぎると、酸が不足して、長生きしないワインになってしまいます。一番良い状態は、糖度が増して、果皮が厚くなる状態です。
果皮は、ワインの酸度と香りの成分を造り出します。
初秋の雨
ワインの品質にもっとも影響が大きい時期です。ぶどうの成熟は、品種により8月末〜10月末ですが、そのぶどうの成熟期と雨が重なったか否かでそのワインが良くなるかどうかが決まります。
つまり、同じボルド−地方でも、メルロ−はカベルネ・ソ−ヴィニヨンよりも早く収穫されるため、メルロ−の収穫が終わった後に雨が降れば、その年は、メルロ−主体のサンテミリオン地区は、カベルネ主体のメドック地区よりも良い年になります。
収穫時の雹
雹は、主にブルゴーニュでよく発生します。収穫時の雹が、果実を傷つけ、収穫量、質ともに決定的な打撃を与えます。ところでブルゴーニュの中でも、コート・ド・ボーヌとコート・ド・ニュイでは収穫の開始時期が1週間違います。(ボーヌの方が早い)そのことが大きく評価を分ける要素になります。
また長い単位で時期を考えるなら、ぶどう開花後100日で基本的に収穫されるので、その期間の降雨量(200ml以下)と、日照時間の総量(1400時間以上)と、最高気温の総量(2200℃程度)が大きなポイントです。 大雑把には4月〜6月は、収穫量に影響し、7月〜10月は、品質に影響する、と考えれば良いでしょう。

最近のビンテージについて

偉大なビンテージとは?
暑かった2003年を予測する

(c) Hanami Saito   

最高のビンテージ?

歴史的な猛暑に見舞われた2003年の欧州で、マスコミ各紙では「ワインが最高の出来に・・・」という記事がよく見受けられます。

各地で例年よりも3週間も早い、という異常な早熟で収穫がされました。
確かに早飲みのボジョレー・ヌーボーなどは、問題なく果実味たっぷりのワインが出来上がりそうな予測がたっています。

ただし、長期熟成型のボルドーやブルゴーニュの高級ワインというと、良いビンテージではありそうですが、2000年ボルドーや1999年ブルゴーニュのように最高か?といえばそう簡単に話が解決しません。 

 僕がフランスにいた89-90年もよく滞在時に、特に夏の暑かったボルドー1989年のビンテージをどう見るか、ということが専門家の間で議論されていたことを思い出します。


当時、マスコミで世紀のビンテージと報道された89年ですが、専門家の間では90年初頭時点でクラシックな88年に比べると酸が足りなく早飲みビンテージであろう、といわれていました。
今年についても同じようなことがいえるのかと、推察できます。
(ただし、89年ボルドーは優秀年であることには、異論がありません。おそらく2003年よりもよい年でしょう。あくまで、90年当時における88年との比較でのこと。89年オーブリオンなどは傑出したワインが出来上がっています 。)

(c) Hanami Saito

現地からの報告では

ボルドーで活躍する斎藤花実さんからも、糖度が高い割に、極度の水不足がフェノール系の熟成をブロックしタンニンのキャラクターが今一歩、というメールが来ています。

パリ在住で特にブルゴーニュの有力ドメーヌとの関係が深い堀晶代さんからも同様の指摘がされています。彼女のホームページ、"La Mer du Vin"では、ブルゴーニュの名門、ドメーヌ・クロード・デュガでの今年の収穫の様子が報告されています。
 


 

偉大なビンテージとは?

それでは素晴らしいビンテージとは、どのような特徴があるのでしょうか?

教科書的に話をすると、「4月から6月の気候が収穫量を決定し、6月から10月の気候が品質を決定する。」とか、「ぶどうの開花から100日間の天候がビンテージを決定する」といわれています。温暖化の進む最近では、70年代までのように、単純に暑く雨が降らなければ素晴らしいビンテージとなる、ということにはなりません。(そうであれば、ニューワールドの方が遙かに優れたワインが出来る)

 先日、2000年の5大シャトー(ボルドー)を確認する試飲会と1959年のミュジニー(ブルゴーニュ)を試飲する幸運に恵まれました。2つとも最高のビンテージといわれています。

その時に強く感じたことは、果実の完熟感もさることながら、何よりも非常に上品な酸のキャラクターが特徴的でした。

未熟果の酸は薄っぺらく、舌をつくような感覚がありますが、上品な酸は味覚を刺激し、味や香りの余韻をとても永く保持します。

マルゴーやラフィット2000年の驚異的な余韻の持続度は感動的でした。

そういえば先日ニュージーで活躍している、日本が誇るワイン醸造コンサルタン
ト楠田浩之さんが、なぜ世界の専門家がニュージーランドのワインに注目を始め
たのか?という話をしてくれました。
 

(c) Hiromi Ooka 


曰く、「夏場の日中気温が25℃になるのに、夜間は南氷洋の冷たい風が吹く時は5℃にまで下がることがよくある。この時にぶどうは軽い冬眠状態になり、成熟に大変時間がかかる。この大変に時間をかけて熟成することで、様々な要素がバランスよく整うので理想的なワインづくりが可能になる。もちろん収穫期は大変乾燥して雨が降らない。」・・・と言っていたのを思い出しました。

何事も、偉大なものは時間をかけて完成する、ということなのでしょう・・・

ところで、最近オフビンテージか?といわれていた2002年ボルドーの評価が、特に右岸のサンテミリオンを中心として上がってきたようです。
1年半ほどの樽熟成を経て瓶詰めされる高級ワインのことですから、最終的な判
断はいつまでもミステリーです。

1996年
 ボルドー、ブルゴーニュともに★★★★★偉大なビンテージとなりました。タンニン、酸共にしっかりとしたワインが多く、早く飲むと、時として荒々しく香りも閉じていることが多いのですが、長熟タイプのワインができました。ただし収穫量が少なかったのが残念でした。世界的なワインブームの中での当たり年となり、価格的な相場も高くなっています。しかし、特級クラスのワインは、20年〜30年後も充分に楽しめるポテンシャルを持っています。

 
1997年
 フランスはとてもイレギュラーな年でした。夏がとても乾燥した猛暑だったのです。
 一般には乾燥した猛暑はぶどうにとって好都合なのですが、余り過度に暑すぎ、雨がなかったためにぶどうの生育が遅れてしまいました。
 
  全般には、ブルゴーニュ★★★☆の方がボルドー★★★より気象条件は良かったようです。どちらにしても酸が96年に比べると少ないのが特徴です。
 そのために早く楽しめるワインとなりましたが、長期熟成型ではないようです。いくつかの醸造家は、6月の降雨が原因でぶどうの実にばらつきが多く、収穫時の選定が非常に困難だったこと、収穫時の温度が高く、発酵の時の温度管理が難しかったので造り手の力量が問われる年だった、といっています。
 メドックのChラトゥールはこの年をGreat Yearと表現していますが、苦労したシャトーも多かったようです。甘口貴腐ワインを造るソーテルヌ地方は例外的な★★★★★のグレートビンテージ。
97年のグランクリュ・クラスは96年ものよりも早く楽しめるので、もし2つのビンテージがあれば、97年から飲み始めることをおすすめします。
イタリアは、★★★★★のグレートビンテージです (特にトスカーナ)。
カリフォルニアも、★★★★★20年来のグレートイヤー。

1998年
 この年は前年より全般的によい評価があります。ただし、ボルドー★★★★で9月の中旬から3週間に渡って雨が降り続き、カベルネソーヴィニヨンが難しい年となりました。メドックは軽いタイプが多くなりそうです。8月が熱波ともいえる猛暑が続いたためにタンニンは多く、果皮も厚いので丸みのあるふくよかな味わいの傾向はあるようですが、収穫時の雨が原因で長期熟成に向くタイプではないようです。ブルゴーニュは、比較的バランスの整った飲みやすいタイプが造られやすいビンテージです。サンテミリオンやポムロールは雨を逃れ秀逸な
★★★★年(1995年に似たタイプの)になりました。おそらくお買い得なワインとなるでしょう。ローヌ南部では★★★★★の近年稀にみる 傑出年になりました。カリフォルニアは前年より少し難しい年★★★

1999年
 ブルゴーニュ赤が非常に素晴らしい品質
★★★★★です。しかも多産で価格が手ごろになり、お買い得となるのでは、とのことでした。 (ルイ・ジャド社輸出部長談)
 4月〜5月まではおおむね好調。6月の初旬にコート・ロティーからアルザスにかけて強い雹が降り、打撃を受けた樹が多かったようです。7月は比較的順調だったが、下旬に強い雷雨があり、一部の畑が冠水しました。(半月分の雨が2時間に降雨)8月の気温は上昇し、ぶどうは良く熟しました。9月の上旬から好天の下ボルドーでセミヨンの収穫が開始されました。9月下旬に残念ながら降雨がボルドーであったようです。現地のネゴシアン(輸出業者)の話だと、ボルドーのシャトーワインは生産者によりかなり質的なバラツキがあり、今後の選択が技量を問われる★★★☆です。一般的にボルドーのメルローはとても良い仕上がりで、カベルネが雨により影響を受けました。
 ボジョレヌーボーは降雨前の収穫がほとんどで完熟味のある良い仕上がりでした。ローヌ南部では
★★★★★の 連続した傑出年になりました。
 
2000年
 ボルドー★★★★★、ブルゴーニュ★★★★ともに偉大なビンテージとなりました。
 特にメドック地区が素晴らしく、メルロー中心の年が続いたここ2〜3年から久しぶりにカベルネの年、といわれています。
 タンニン、酸共にしっかりとしたワインが多く、長熟タイプのワインができました。ただし ミレニアムビンテージの当たり年となり、価格的な相場も高くなっています。
品質を楽しみたいのであればトップ20シャトー以下の手頃なラインを狙うとコストパフォーマンスが上がりそうです。
特級クラスのワインは、20年〜30年後も充分に楽しめるポテンシャルを持っています。
 

ビンテージを理解するコツ

ビンテージチャートでビンテージを数字で覚えるのは、一番安易な方法です。でもそれでは、ビンテージの本質を理解したことにはなりませんし、味も素っ気もない、試験の「傾向と対策」みたいです。
 お薦めしたいのは、一つの地区でまず基準となるシャトーなどのその年の出来事とワインについて理解していくことです。
 全ての年で、全ての地区をこのようにして覚えるのは大変なことですが、それは、大学で専門に論文でも作るくらいの人でなければ必要ないでしょう。一つの地区で、一つのシャトーならば、そのビンテージの大枠がわかりますし、何よりも、ビンテージの捉え方がわかるようになると思います。覚えるということよりも、理解する、ということの方が重要でしょう。
 

トピックス(よりマニアックな内容)
シャトーラトゥールにおけるビンテージ Ch. Latourホームページより引用

1963年

平凡な年

気象条件

 正常な春、5月の終わりにまで元気な発芽は続いた。 6月は熱くて,湿度が高かった。 6月18日に開花。暑い雨模様の天気は7月と8月を通して続いた。 しかしながら,8月はそれほど暑くなく、より雨が多かった。 8月9日から大雨、ぶどうは、過大な水分を吸収した。
乾燥した9月を必要としたが、残念ながら最初の2週間の間、毎日雨が降った。これらの条件のもとでは,腐敗は急速に広まった。 後半の2週間も何も解決しなかった。 雨が降り続き、腐敗は広まるようになった。
 その後、雨があがった10月10-23日から収穫が始まった。ほとんどわずかに選択された良質のぶどうを除くと、残りは厳しい物だった。


ビンテージ特質とテイスティング・コメント

ぶどう液は赤よりも茶色だった。ワインは非常に期待はずれで、年を経て成熟する物ではなかった。


飲み頃とサーヴィス方法

ワインはすでにその最高の状態を経過した。しかし、まだ興味深さがある。
少なくとも半日垂直なボトルを保って、ボトルの下部に澱を沈殿させなさい。次に,これらの澱を取り除くためにゆっくりデカンターにワインを注ぎ、すぐに提供する。
1967年

平均的な年

気象条件

 温和な湿気の多い冬の後に、発芽は3月18日から始めた。 4月は数回の朝の霜がありとても涼しかった。 5月は第2週目の暖かくて、湿っていた週は別として非常に変わりやすく、全般に涼しかった。 6月の前半はすばらしかったが,後半は変わりやすい気候だった。 7月は素晴らしく、非常に暑く非常に乾燥していて、ぶどうの実は22日に成熟し始めた。 8月の前半かなりの量の雨を降らしたにもかかわらず,第2週のときにもちなおし、後半はよく暑くなった。
9月の最初の3週間は雨が降っていた。 収穫は9月26日から10月15日まで行い、 少量の雨は別として天気が好都合だった。

ぶどう液はよく着色されていて、糖分が豊かで適正な低めの酸を持っていた。 発酵の後に,できあがったワインは、平均したボディーを持ち、フルーティーで良い長期熟成の可能性を示した。

ビンテージ特質と、テイスティングコメント

熟成をわずかに示す色。 ヒマラヤ杉、キャラメルおよび石油系香料の香り。 良い集中力があり、非常に円満で、豊かな味わい。 まろやかで熟しているタンニンと甘いフィニッシュ。非常にバランスが良い。 このビンテージで驚異的なワイン。


飲み頃とサーヴィス方法

ワインは、現在が最高の状態に達してる。2010年以前に飲まれるべきである。

半日間少なくとも垂直にボトルを保って下部に澱を沈殿させなさい。 次に、これらの沈殿物を取り除くためにゆっくりデキャンテイングして下さい。
空気に触れさせるために30分前からデカンターに入れるべきでしょう。
1986年

偉大な年

 気象条件
冬は雨が多くかなり温和だった。春の始まりは遅く、4月14日に発芽が始まった。5月はとても暑い毎日が続いた。6月16日に開花がはじまり、天候は良く、充分な量の収穫が予想された。夏は素晴らしく、とても乾燥していた。ぶどうの実は美しいほどに成長した。この年の素晴らしいぶどうの実の成長は、ラトゥールの歴史の中でも初めてのことだった。ぶどうの栄養分の集中力を増すために、7月に摘房が行われた。9月のはじめは良かったが、月の中頃に果実を膨らませる63mmの降雨があり、これにより灰色に腐敗した果実が出来た。幸いに月末に再び太陽が戻り、暑くなって危機を脱し果実は成熟を加速させた。収穫は暑い日差しの中、9月30日から10月16日まで行われた。

ビンテージ特質とテイスティングコメント
ワインは、偉大な年のラトゥールに特徴的な際だった集中とタンニンを持っている。
豊かで、フルーティーでミント系のアロマを持つスパイシーなワインに仕上がった。とても長い味わいと、深く濃く力強い構造を持つ。しかしタンニンの構造が未だ少し堅く、丸くソフトな味わいになるのにもう少し時間が必要である。(試飲:1997年7月)


飲み頃とサーヴィス方法

シャトーラトゥール
2005年から2030年にかけて
もし2005年より前に飲むのならば、2時間前のデカンターで空気に触れさせること(デキャンタージュ)が必要。

レ・フォールド・ラトゥ−ル
2000年から2015年にかけて
もし2000年より前に飲むのならば、1時間前のデカンターでと空気に触れさせること(デキャンタージュ)が必要。
1989年

偉大な年

気象条件

3月27日にMerlotが発芽を始める。収穫まで気象条件は葡萄園に理想的だった。5月30日にひどく芽を傷つけた乱暴な降ひょうを除いて、早くも開花は5月29日に始まった。このとき、収穫が9月15日頃に始まると予想した。 しかしずば抜けていて、非常に乾いた夏は成熟の過程を早くした。
老樹ではふさが7月の始めに薄くなった。干ばつが心配されたが若い樹がよく熟成した。
熟す速度ははやくなり、収穫が期待されるより早く始まった。 収穫はMerlotから始まり8月31日開始、これは1893以来の最速の収穫である!
9月21日に終わった収穫は全般に完全な気象条件の下でおこなわれた。

ビンテージ特質とテイスティングコメント

シャトーラトゥール: 色が濃く、コンフィの芳香につつまれる。ほとんどエキゾティックなすばらしさ。集中力があり、非常に豊か。ワインは未だとても若く野性味にあふれる。(試飲:1997年7月)

飲み頃とサーヴィス方法

シャトーラトゥール
2002年から2025年の間か、もしくはそれ以上の可能性(?)
もし、この5年のうちにボトルを開けるなら、デカンターで空気に触れさせること(少なくとも2時間)が(デキャンタージュ)望ま しい。

レ・フォールド・ラトゥ−ル
1998年から予想されるピークの 2005年の間
デカンターで空気に触れさせることを約30分おこなうこと(デキャンタージュ)が望ましい。

1990年

歴史的に最高な年

気象条件


特に暖かい冬は3月1日にMerlotに始まった発芽をもたらした。 3月の終わりに寒い期間があり成長のスピードを少し遅くした。 5月は暑くて,日当たりがよく,5月25日に発見された開花は標準より2週間も早いものだった。 その開花は瞬く間に広がっていった。
7月の始めは厳しい日差しがあった。 夏の暑さは激しく,ひどい干ばつは成熟化に向かって進歩を妨げた. しかし, Enclosと呼ばれる畑の地中の粘土層のパワーは非常によく暑さに耐えて9月はじめの数日に加速された成熟を促した。
Latourでの1990年の収穫は非常に長いものだった。9月10日から10月2日までかかった。ぶどうの樹ごとの成熟の相違がとても大きかったからである。 9月22日と23日に降った雨が、Cabernet Sauvignonを完全に熟させた。 収穫の時には、ぶどうの成熟バランスは完全になった。

ビンテージ特質とテイスティングコメント

シャトーラトゥール: Latourの記念碑的存在となった。現在は非常に若くて閉じている。(1997年6月)深い色合い、ダークチェリー、口当たりは焼けた果実香、甘草、チョコレート、キャラメルの複雑な芳香の層によって信じられないほどボリュームがある。まろやかで充分完璧なバランス、無限に続くフィニッシュ。

 レフォールドラトゥール: ラトゥールのように、素晴らしいワインである。現在はラトゥールよりも開いている。深くいぶられた果実香、軽いのヒマラヤ杉、革、およびタバコの力強い芳香に満ちている。 味わいは魅力でいっぱいで,まろやか、濃く、しっかりとした骨組みを持つ。
初めて,重要な年でレフォールドラトゥールの品質をひとしお増加させるため、サードワインである村名ワインPauillacは作られた。



飲み頃とサーヴィス方法

シャトーラトゥール: 2005年から2030年以降の熟成
このワインがもし5年の内に開かれるならば、デカンターで空気に触れさせること(最低2時間)は非常に望ましい。

レフォールドラトゥール: 2010年が予想される最高の時期である。2000年以降に飲まれるべき。
もしこのワインが今日開かれるのであれば、デカンターで空気に触れさせること(最低1時間)が必要である。

1996年
特別に偉大な年
(1997年樽熟中を試飲)
気象条件

最初の発芽は温和で湿気の多い冬の後に3月23日にMerlotから現れて,4月2日にCabernet Sauvignonにも始まった。 5月の最初の3週間は涼しかった。 しかしながら、暑さの突発が23日にあって、草木は文字通り爆発したように成長した。 開花は平年より早く5月18日から始まった。そして10日以内で花は終わった。 残念ながら成長のこの早さは花にとって良くなく、Merlotの古樹で花粉の受粉不良が現れた。
Latourの畑については、6月,7月の暑さおよび多湿の状態は樹の成長を促した。 この年の荒天は8月の中続いた。ただし、他の葡萄園は140mm以上の降雨を記録したにもかかわらずLatourは67mmの雨にとどまった! 8月の終わりまでには,成長は素晴らしく見えたが、灰色カビの重大な可能性があった。 涼しい夜に伴う連続した3週間の日当たりのよい日があり奇跡的に、快晴は始まった。海洋性気候の9月17日と10月2日とその間に数回降雨があった。
収穫はそれらの降雨を避けておこなわれた。この年の最良のぶどうは、円満なバランスを持ち、1990年のものに近い物がある。
Merlotの成熟が我々にとって少し早く進むと見えた。Cabernet Sauvignonは以前にめったに見られなかった構成の集中力と優雅さを達成した!

ビンテージ特質とテイスティングコメント

ワインの第一印象: ワインが発酵槽から出たときは初めに,1995年のものと較べると、豊かさにおいて少し難しいように思えた。しかし、マロラクティック発酵と樽熟成による数カ月後に、その構成の集中力は誘惑的であり、豊かな魅力を呈した。 ワインが長期熟成のための厳しい条件を満たしているようである。非常に構造化された組立でなめらかで豊かなワインに育っている。(1997年樽熟中を試飲)

 

次は、ぶどう品種(セパージュ)です。