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マリカ~真実の世界~

ビクターインタラクティブソフトウェア、1人用(サイキックサスペンスRPG)、サターンオリジナル作品

時間が経って改めて読み直してみると、結構酷い書き方してるよなー、このページ。勢いに任せてあまり推敲せずに載せちゃったから、かなりわかりにくくなってました。書き直します。あと、シルキーリップをやり直して気がついたのですが、このキャラクターデザインをしている木下崇さんってシルキーリップのキャラクターデザインもやってたんですね。全然気がつきませんでした。…もしかして、アニメーションを描いたのは別な人か?


○評価(五段階)

詳細は後述。ハッキリ言ってサターン最強のRPGだと言っても過言ではない。まぁ、私の個人的趣味がかなり入っているが、にしても趣味の似ている人がプレイすれば私のいっている意味が絶対わかるはず。


◆作品についての1st impression

以下、ゲームを開始した時の正直な感想っす。

な…なんだこれはっ!?電源をつけ、しばらくするとバックには霞のかかった東京の町並み、そしてもの悲しげな音楽の中、浮かび上がってくるマリカ marica ~真実の世界~の文字。

いきなりここで度肝を抜かれてしまった。この作品は本気だな、と感じたのだ。風の噂でシルキーリップを作った人が関わっていると聞いていたものでああいうノリを一瞬期待したが、その期待はいきなり見事に裏切られた。しかしよくよく考えてみると、シルキーリップって見た目は少女漫画みたいだけどマリカと同じように少し重いものをテーマとして持っていた作品だった。まぁ、シルキーリップのことは関係ないのでここではあまり触れない。でも、まりかがお尻がようやく隠れるくらいのミニスカートで踊り狂うオープニングも見てみたいかも…

作品の雰囲気について説明しよう。一言でいえばロンリーバトル、である。完全なトラブル巻き込まれ型のストーリー。国家権力など太刀打ちできないくらい強力な敵と、全く力のないか弱い美少女が対決する。少なくとも、マリカのバックストーリーはそうである。日常から非日常へ、ってのはナレーションでも言われているが、製作者はそういうのが好きなのかもしれない。と言いつつ、もちろん私もそういうシチュエーションは大好きであり、瞬間的に胸の奥から熱いものが込み上げてくるのであった。はっきりいってつかみの勝利だ。逆にこのノリが嫌いな人(がいるなんてことは私は信じられないのであるが)だとはまれないのかもしれない、と今ふと思ったが。

作品の雰囲気を更に美しく彩るのが、バックに常に淡々と流れる音楽である。私は音楽に関してはあんまり詳しくないんだけど、単純に良いと思ったんだけどどうだろう?サウンドテストがついているので、一度クリアした後じっくりと聞いてみる。私が不思議に思ったのが、“家族”と名づけられた音楽。何故こんな悲しい音楽に家族というタイトルがついているのかな(あんまり意味なかったりして)。コンピュータゲームのように感覚的なものがその価値を決める娯楽は、音楽も非常に重要だと思う。

RPGにはつきものの戦闘シーンももちろんある。しかし、シルキーリップから発展したと思われる戦闘だけあって、そこらRPGのザコ敵とのルーチンワークみたいな戦闘とは一味も二味も違う。ドラクエなんかもそうなんだが、あの手の戦闘シーンはいかにもコンピュータゲーム的で、戦闘そのものを目的にしているものが結構多い。製作者がコンピュータRPGの戦闘に楽しみを見い出しているとそうなるんだろう。しかしこのマリカの戦闘シーンはどちらかというとアニメーションやコミックの一対一の戦闘場面から発展させたもののようで、CPUが生成するランダム要素に楽しみを見い出すシミュレーション的なものではなく、あらかじめゲームマスターに決められたストーリーをなぞるために行われるイベントといった、RPGの基本的なスタイルを押さえている。そういえば前述のシルキーリップの戦闘シーンは、なんと戦闘の勝ち負けがストーリー進行に全く影響しない(というか、最初からストーリー的な勝ち負けが決まっている)というとんでもないものであった。一般的にRPG(コンピュータゲームじゃない方)は忙しい時間を割いて人数を集めてプレイするのでプレイ時間が決められていることもあり、なるべくストーリーをなぞることに注力し、場を盛り上げるため以外の無駄な戦闘は極力さけるのが定石なのだ。というのも、ゲームマスター(ゲームの進行役…コンピューターゲームの場合、製作者にあたる)ってのはプレイヤーに飽きられたら次に人が集まらなくなっちゃうので…ストーリーの流れを崩すような、コンピュータRPGではありがちなランダム戦闘というのはほとんど起こさないか、もし起こしてもアドリブで無理矢理ストーリーに組み込んでしまうのが上手いマスタリングなのである。話がそれたが、要するにストーリーの方向性がしっかりする、というメリットがでかいわけだ。せっかく盛り上がったお話が、ザコ敵に殺されちゃって途切れたらどんなに良いストーリーでも台無しだからね。

勝っても負けてもストーリー進行にそれほど影響はないっていっても、やっぱり負けるのは非常に悔しい。ザコ戦で絶対負けたくない!って激しく思ったゲームはこれが始めてである。もちろんザコ戦だけではなく、どうしても負けたくないボスキャラクターだって当然存在する。

シルキーリップより多少劣るのはアニメーションくらい?その代わり一枚絵の迫力はこちらの方が断然凄い。私はアニメーションは動かなきゃダメって毎回言ってるけど、この作品に関しては例外<うい。アニメーション以外の要素(音楽、画面効果、声、間の取り方、そして何より先の読めない展開=演出!)でその辺の不都合などどうでもいいくらいに昇華してしまっている。音楽もカッコイイ。この音楽のおかげ?で、戦闘最中に頻繁に行われるCDアクセスも大して気にならなかった。

ババババンッって音がなり、敵アジトの場面に切り替わる演出なんかも良いな。最初はかなりビックリしたけど、慣れると心の準備が出来て少し期待…いや、違うな。俺の分身、マリカを苛める相談をまたしてるのかってちょっと憂鬱になってしまう。それだけはまれる作品なのだ。

褒めてばかりになってしまった。実は不満点というものもいくつか存在する。しかし、今は不満点をチクチクと突つく気にはならない。それについてはまた後で書くことにする。


◆ゲームシステムの説明

ジャンル分けという言葉すら既に意味を成さないくらい、他のゲームとは似てないし、この作品以降もこうした手間暇かかりそうなものは作られてなさそう。基本的にはコンピュータRPGっぽい。何枚も用意された街のマップを行き来し、特定の建物あるいは場所でイベントが起こり、敵とのエンカウントによる戦闘が起こる。主人公達の強さはレベルで定義されており、戦闘を重ねることで経験値を得、より強くなる。敵は固定ではなく何体でも登場するので、必要だと思えば自キャラをしっかりと強化することが出来る。まぁ、システム的には他のコンピュータRPGとほぼ同じである。

しかしこれは今までのコンピュータRPGから発展させたというよりは、制作者が自分がやりたいことを実現させるためにコンピュータRPGのシステムを借りているだけ、といった印象を受ける。最初のコンセプトが違うのだろう、ありとあらゆる演出面や感覚がこれまでプレイしたコンピュータRPGとは違っていた。

昔、メガCDでシルキーリップという作品があった。その作品も、見せたいもの、やりたいものがハッキリしていて、全ての演出はそのために存在しているように見えた。おそらく、他の要素を強化しようと思えばできたであろうが(当時は日本テレネットだってことで気にしてなかったけど)、ストーリーに関係しない無意味な部分は存在しない。だから、言いたいことがプレイヤーの心にストレートに伝わってくる。

最近、大作RPGというとごちゃごちゃと受ける要素をくっつけただけの意味不明のものも存在するようだ。だが私の考えでは、そういった要素はイタズラに作品の透明さを下げるだけであり、ゲームとして面白くはなったとしても作品として良いものは出来ない…のではなかろうか。

マリカには確かに制作者からのメッセージが込められている。そしてその内容は18歳以上推奨の名前に恥じぬ、深いものであるように思うのだ。もちろん、推奨は推奨だから中学生や高校生がプレイしても構わないだろう。あなたが、作品中に出てくる真実の人が言うような、怠惰な愚民でなければね…しっかりと考えてみて欲しい。ストーリーが陳腐でつまらないっていうならそれでも構わない。その方はきっと、私より知的レベルが高い人なのかもしれないけど。


◆褒めてばかりだと何なので…

冷静にゲームとしてみると、やはり色々と欠点も目に付く。ゲームにはまり込んでいる間は欠点として見えていなかったことも、気持ちが落ち着いてくると欠点として見えてくるのだ。客観的にいくつか書いてみる。

CDアクセス
やはりこれが一番気になるところであろう。戦闘に入ると途端にシャコシャコ鳴るようになる。これは時間がないときはかなりストレスが溜まると思う。ただし、戦闘以外ならあまり気にならない。シルキーリップのように一つの街を歩きまわっている最中にアクセスが起こるというものではないので、改善されているといっていいのだろうか。
声と音楽の音の比がおかしい?
ときどき会話シーンが入るのだが、この時の声の音と音楽との音量がちょっと気に入らなくて、会話シーンにはいるたびにボリュームを上げ下げしてしまった。これはちょっと改善して欲しかった。
装備画面
装備した後、確認を実行しないと装備されない。もちろんマニュアルをしっかり読んでいれば問題ないのだが。


◆18歳以上推奨という年齢制限

さて、このゲームをプレイした方はこのゲームのどこが18歳以上推奨なのか?と疑問に思うかもしれない。そういう方はきっと、18歳以上推奨というジャンルの意味を勘違いした人じゃないかな。

このゲームの内容を知らない人のために簡単に説明すると、この作品ではいわゆるエロゲー的要素は全く含まれていない。そんなものは期待するだけ無駄である。もちろんそれを仄めかすような要素や演出すら存在しない…まあないこともないけど、それを言い出すと他の全年齢対象ゲームだってほとんど引っかかっちゃうからね。もっとも、18歳以上推奨という点で、安心してゲームがプレイできない!という点ではなかなかドキドキものであった。変に全年齢対象だとそういった要素は絶対出てこないという安心感みたいなものがあって、そのせいでプレイにある種の現実感が出てこない場合がある。制作者がそこまで考えていたかは分からないが、この作品を18歳以上推奨にしたのは確かに成功しているのだ。私の中では。

安心してゲームをプレイできる、安心してゲームを子供にプレイさせられるというのはある意味過保護な考え方だ。N64はまさにそうで、発売されるゲームソフトは厳選され…過ぎているように思う。だから、一部のゲーマーにとっては魅力的なタイトルがいつまでたっても出てこない。N64がこのままこの体制を崩さなければ、結局のところ子供向けゲームマシンのままで終わるだろう。それが任天堂のやり方なのだから、それは別に私が口出しすべきことじゃないけど。私は子供じゃないから。私の求めるものはそういったものではない。いや、ゲームマシンとして、単なる娯楽として楽しむならそれでも良かったかもしれない。だが私は大学に入ってから初めてゲームマシンを買ったときから、この世界に少々長くいすぎたみたい。今はコンピュータゲームの可能性に期待するようにすらなった。昔なら、そういった文化としての役割は小説や映画にまかせて、コンピュータゲームは一生ただの娯楽マシンとして存在してくれ、って言ってただろうな。

コンピュータゲームが文化として世の中に定着するには、もう一皮剥ける必要が絶対にある。ってのは私の持論だ。恐らく…これは私の単なる予想だが…セガもソニーも、その辺は十分分かっていたはずで、その上でセガはサターンに18禁枠をもうけ、ソニーはPSに表現規制を行ったのだろう。結果として売れたのはPSであったが、それはソニーの読みの方が的確だったというだけのことだ。まずはゲームマシンをたくさんの人に偏見なくプレイしてもらう、確かにそれは大切なことだ。セガはどうかっていうと、いつもそうだが先走りし過ぎた。いつでもそうだ、そして後の世に他の会社がセガと同じことをやって成功し、セガのお株をとってしまう。だがこれは別な話だね。それはともかく、理想はどうでもいい。重要なのは結果である。でも私はセガに期待してしまった…セガみずから、これが18歳以上推奨作品だっ!てな作品を出してくれないものか?難しいだろうけどね。

ハードウェアメーカーがいくら規制を行ったとしても、実際にソフトを作るのはサードパーティーだ。だから、ハードメーカーの意図を理解しないところも、あるいは意識的に無視するところもあるだろう。少なくともサターンには年齢制限という枠が(現実にほとんど機能していないとしても)ある。だから、表現の可能性と言う点では非常に大きなものがサターンに残されている。少なくともその土壌はある、だから後は優れたクリエイターが種をまき、花を咲かせられるかどうかだ。ただ残念なことに、ユーザー総数の中でそういった大人のゲームを求めている人はほとんどいないようだが。だから、サターンでそういった類のソフトを作っても売れないかもしれない。よりたくさんの人に楽しんでもらうか、規制されるのを拒むか、どっちを選んでも責めることは出来ないね。

もっと深刻だと思われる問題もある。PSのように18歳推奨のような枠がない場合、制作者がそういったソフトをつくりたくなったらどうするのだろう。作らないのだろうか。それとも、とりあえず規制に(だけ)引っ掛からないいびつな形のソフトを放出するのだろうか。どちらにしても問題は大きく残るように思う。優れた作品になるかもしれないゲームソフトが闇に消えるのは損失だと思うし、単に規制に引っ掛からないだけにした18禁すれすれのソフトが子供の目に何の前触れもなくあらわれるのはもっと問題だ。子供、あるいは親は絶対そんなソフトはないと思っているのだから、害悪は年齢制限がある場合よりさらに深刻だと思うのだ。考え過ぎだろうか?

マリカのような素晴らしいゲームがもっと現れることを信じて。他人がなんといおうと、私は応援します。


◆資料編


ちなみに、このページはナマモノである。取り扱いにご注意あれ。そのうち更新するかもしれない。