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そばかすの理由
 

私は巨人ファンです。かなり唐突ですが、少々色白なせいもあって、顔にそばかすがあります。このお肌の状態を形成するにあたっては歴史がありまして、まだ東京ドームが出来る少し前、今や懐かしい後楽園球場の頃、よく晴れた巨人戦のデーゲームを観戦していた頃にまでさかのぼります。まだ本当に子供でした。日焼けで紫外線を浴びることを気にするでもなく、ましてや日焼け止めクリームやファンデーションなどの類を用意する繊細な神経など持ち合わせていなかったので、ゲームに熱中するあまり、顔の頬から鼻にかけての部分が日に焼けて赤くなり、軽い炎症を起こしているのにも気付かないでいるということがありました。当然それだけが私のそばかすが多い理由ではありませんが(笑)最近、数えきれないほど“ホワイトニング効果”を期待できそうな化粧品が増えています。私もせっせと微かな期待をしながら“美白”を目指し、鏡の前でお手入れをしているのですが、気持のいい美容液の感触を指先でクルクル頬に浸透させながら、あの夏の後楽園球場のスタンドで受けた強い日差しを思い出していました。あの頃、よく一緒に野球を観に行った同級生の相ちゃんは大阪でいいお母さんをしているらしい。月日の流れは驚くほど早いけれど、そして私は今でもずっと巨人軍を応援しています。

 


 

1995年10月8日
 

この年くらい野球を観ながら泣いた年はなかったと思う。ベンチを暖めているあの人の姿をテレビカメラが捉える度にどうして?どこにもぶつけようがない気持と悔しさで、私はいつもうるうるしていました。新聞に書き立てられた“引退”の文字も信じたくはなかったし、久しぶりのお立台で沢山のファンの声援に目を真っ赤にして声を詰まらせていた背番号“8”はやっぱり私の永遠のヒーローだったから。まるで神様が用意してくれたかのような広島との最終戦。引退試合となったあの日をたぶん一生忘れないと思います。東京ドームの中に入った途端、その高揚する空気に圧倒されたこと。彼がバッターボックスに立った瞬間、あらゆる観客席で光る星の数ほどのフラッシュ。今でも信じられないのですが、私はずっと泣いていたような気がします。最後のホームラン。最後の打席。最後の守備。全てのことがひとつひとつ静かに終っていくのです。目の前で行われている引退セレモニーが現実ではないような不思議な感覚。思いっきり泣くって気持がいいことを初めて知りました。それもお腹が空くくらいの思いっきり。あの時から15年間の選手生活にピリオドを打ち、ユニフォームを脱いだ原辰徳さん。相変わらず爽やかな笑顔でキャスターとして活躍されている姿に“夢のつづき”は忘れていないからと心の中で囁く私がいました。…三年後、巨人軍に原辰徳さんがコーチとして復活されました。あの頃の印象とほとんど変わらない佇まい、現役時代からのファンとしてとても嬉しいです。

 


 

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