渓流釣り用竹ビク(竹魚籠・竹魚篭)の製作工程をご紹介します。製作工程は、竹工(ちっこう)、木工、金属プレスの3つの要素に分けられます。

竹工:カゴを作る

竹カゴの材料は繊維の詰まった真竹(マダケ)。その中でも冬採りの3年以上の硬く太い物を使用します。竹材として育成、選別された物を竹材業者から仕入れ、日照と濡れを避けて風通しの良い場所に保管します。

大きいカゴ(九寸籠)には特に節(フシ)の間隔の長い伸びの良いものが必要になります。風のない暗い沢地の物は日照を求めてスクスクと伸び、比較的曲がりの少ない節間の長いものになり、片や尾根地のものは伸びは悪いですが粘りのある強い材になります。

竹工 竹工

竹工用語では、カゴ側面の横に通るヒゴを横糸(ヨコイト)、縦を立竹(タチタケ)、編み上がったバスケットを袋(フクロ)、カゴの口にグルリと廻す縁をハチマキ、フクロに差し込む太い竹を親骨(オヤボネ)とか力骨(チカラボネ)と呼びます。

竹拵え(タケコシラエ)とは、竹を割り、裂き(ヘギとも言う)、必要な長さ・幅・厚さ・形に加工することです。

横糸、立竹は各寸法に調整された幅引きに通して幅を決めます。すべて角を落として面を取ります。これで手に引っ掛かりの無い良いカゴになります。

ヒゴの厚み、太さの確認は、釣り竿の調子を見るのと同じで、できたひごを丸めて見ます。真丸の場合、厚さ太さは均一になっています。

竹拵えの終わった横糸 テンダー式幅引き(幅決め具) ヒゴの確認

イカダ底は底桟(ソコサン)と立竹で組みます。また、立竹3本には籠の強化のためにアルミ合金板を接合します。

横糸を編み袋ができたら、充分時間をとって乾燥させながら、網目を詰めます。乾燥が不十分だと使っている内に竹が縮み、ユルユルのカゴになってしまいます。一見同じ様な見栄えでも、頑丈さに違いがでてきます。

イカダ底 アルミ合金 袋を作る

親骨(力骨)は断面を丸みを帯びた菱形(ハマグリ型)に加工します。これは骨自体の強化と、袋に差し込んだときにヒゴの編み目を広げ、カゴの通気を良くするためです。

竹拵えの終わったホネ類 ホネの断面

ハチマキはテンダーの型を用いて製作し、内用、外用2個で1セット。外用は青竹の表面のアマ皮を刃物でこそぎ落としミガキ仕上げにします。

また、袋に装着したとき、外用と内用の合わせ目の隙間が一定になる様に緻密に作ります。口の仕上げはカゴの寿命を左右するため、カゴ製作の中で最も大事な部分の一つです。

ハチマキ ハチマキ 籠

ハチマキの縁には金属棒を回しそれに皮籐(ラタン)を巻くと同時に、ハチマキ内外も一緒に締込みます。これによってハチマキと袋が完全に一体化します。

最後に親骨(力骨)を差込みます。

籠仕上げ 籠仕上げ 籠仕上げ

▲このページのトップに戻る

木工:エサ箱の製作

然秋田杉 然秋田杉 然秋田杉

然秋田杉 然秋田杉 然秋田杉

箱は天然秋田杉に、食品衛生法を完全にクリヤーしている木固め(キガタメ)処理を行います(2006年生産出荷分より)。

これは、従来の表面に塗膜を作るだけの塗料とはまったく性質が異なり、ポリウレタン樹脂を木材に浸透させるもので、以下の特徴を持っています。

(1) 衝撃、摩擦、耐水性等の物理的性能向上

(2) 水湿や細菌の材への浸入を防止

(3) 変色や老朽化の進行を抑止(長期的耐久性の向上)

(4) 人体無害・食品衛生法を完全クリヤー

木固め 木固め

箱の内側は入り角(イリズミ)を無くすため可能な限り平滑にしています。内容物の滑りを良くし、取り出しやすく、耐水性と相まってこびり付きなどのメンテナンスがしやすく衛生的です。

外側は艶消し仕上げにします。釣り場でのテカリ(グロス)を抑え水中の魚に感づかれにくくするための配慮です。

蓋はJAS一級完全耐水合板に耐久性・耐候性を考慮し、下塗り+中塗+ポリウレタン樹脂の三層塗装をします。

従来の箱内側 箱内側 現行の箱内側

箱 箱 箱

▲このページのトップに戻る

金属プレス:金属部品の製作

金属部品はワイヤー放電カッターによる型製作と油圧プレスを主に製作します。

ステンレスは硬いため、プレス金型にはダイス鋼を使用し硬度を確保。他伸銅類にはゲージ鋼(炭素工具鋼)を使用します。どちらも水湿に問題ない材質です。

金属部品 金属部品 金属部品 金属部品

▲このページのトップに戻る