野生動物・山の住人との関わり

共存・・等とヒトが短慮するほど彼らは友好的ではありません、彼らの方でからピシャリッと断られるのがオチ。野生とはそういうものです。
出来ることは全てにおいて干渉しないという事につきるのですが・・。
そこにに立ち入るヒトは、どうすれば良いのか。

スズメバチ

クマよりサルより毒蛇より危険!!。

ハチ毒(に対する人体反応)の危険性は生命にかかわる程重大で。 人里・都市を含めるとはいえ年間の死亡者数からすると、毒ヘビのマムシよりも危険な生物です。
まして山間地では、遭遇頻度からしても危険性はクマよりも重大です。(統計では死に至るケースはツキノワグマで年間1〜数名・マムシで10名に対しスズメバチは30名以上だそうです)
特に渓流でよく見かけるキイロスズメバチ等の大型のスズメバチには最大の注意を払うべきで、ハチ(アブにも)にとって黒くて動く物は敵と思うのか? 一度襲われてからは、少なくとも黒っぽい色は身に付けないようにしています。防御対策、 対処方法は是非とも専門のアドバイス、知識を得て備えておく事をお勧めします。
尚、僕(ら)が刺されたのは9月、夜間の林道歩行中、 ガレに半分埋まった倒木を跨ごうとした所、ヘッドランプに照らされた地面に5〜6匹のキイロスズメバチがジットしているのを視認、既に僕の前に3名が何事もなく通過していた事もあって、・・・ハハーン夜は彼らも寝ているのか・・・等とそっとそこを通過した所・・・数歩の所で左足付け根に鋭い痛み!!から始まり、後続二名を含め一人当たり十数か所の総攻撃?を受けました。襲ってくる前にはカチカチっと警戒音を発し・・・等という予兆も全くありません、まさに闇討ちで、その痛さはとてもジッと出来るモノではありません。辺りは真っ暗、足元は落石が散乱し、一歩誤れば谷側へ転落するような所でした。 症状は明けて丸一日の痛みと腫れだけで幸いにも収まりましたが、現場での無知は無力という事を思い知らされました。以下僕が心に留めている キーワードです。夏〜秋、巣への刺激、夜間も攻撃、 アンモニアはハチ毒無力・アブには有効、抗ヒスタミン軟膏、免疫とアレルギー反応、 アナフィラキシーショック、15分、白装束が安全・・・

ヘビ

渓流で出会う蛇の中で毒を持っているのはマムシとヤマガカシ・・ 中でも注意を要するのは、マムシでしょう。
と言っても、向こうが身に危険を感じない限りおとなしいヘビで、相手はあくまで防御の為の攻撃であること、又こちらに気づいていれば、 近づくな!!と尾を痙攣させ威嚇の音を出します。
又、噛まれて不幸にも死亡に至ってしまった確率は0.3パーセント・1000人に3人という統計からも、そう怖がるものでもないのかもしれませんが、 死なないならイイというものでもありません。後の痛みや腫れ等の身体的症状のほか、0パーセントでは無い・・という精神的ショックは せっかくの山行きを台無しにしてしまうのに十分です。まして医療機関も遥か遠い山中ではリスクが大き過ぎます。 面白半分やヤッテミヨウ的に相手にする代物でないことは明らかで マムシを本当に必要としている人意外は決して手を出すべきではありません。
ヤマガカシは個体差もあるようですが、マムシよりも更におとなしいヘビと言われています、又毒を持つといっても毒牙がアゴの一番深いところにある為、通常ではそこまで深く噛まれることは殆ど無いといって良く 当然、統計もマムシの比ではありません。しかし毒液自体はマムシよりも人体に有毒なもので、噛まれてて死に至った例も現実としてある訳で、 又目に入ると失明の恐れもあるそうですからやはり毒ヘビには変わりなという認識を持って行動してます。
マムシは薮の下、倒木の裏、木の洞、石の陰、崖地の洞などに潜む他、林道上や日向に堂々と出てじっとしているのも良く見かけます。一方ヤマガカシはマムシよりより水辺近くで見かける事が多く、水面をたぐるように器用に泳ぐのもよく見かけます。行動時は ☆手をつく所や周囲の状況をよく目、耳で確認し ☆見えない所にはむやみに手足を入れない。 ☆とにかく肌の露出を極力避け長袖長ズボンを着用し ☆手袋はやむを得ない場面(つり場での指出しタイプ)以外では革手袋を常時着用し☆ 足周りも釣り場以外でもスネ丈以上のスパッツを欠かさないようにしています。 そして幸い予め視認出来た時は、驚かせないようにそっと避けて。決して軽い気持ちで彼らとの距離詰めるとか、捕らえよう等としない事。
尚、毒の成分が両者違うので噛まれた時の医療処置も違うようですから、出会う機会ごとによく観察して、少なくとも外観からそれぞれを見分けるぐらいは出来るように備えています。

熊・ツキノワグマ、イノシシ

ここで言うクマ(熊)とは本州以南のツキノワグマのことで、北海道のヒグマ(羆)は食性も性質も全くの別物です。

全ての獣、言葉や複雑な所業を持たない彼らにとって、 五感の鋭さと警戒心はヒトとして見習うべき所だと思います。 彼らは命掛けで対象に注意を払い観察しています。山中のクマ、イノシシ等、大型の獣達は本来はとても臆病で、全身が顕わになるような所には滅多に出て来ません、まして好んでヒトに近づいてくるということもありません。ところが必要以上に恐れられているのは、予期せぬ遭遇・ハチアワセ。恐ろしい相手に出くわしてしまった!!という恐怖心とパニックから自己防衛としてヒトに向かわざるを得なくなるからであって。先ずはヒトの方から”俺はここにいるぞ”を早め早めに伝えて ”ハチアワセ”を回避する事を心掛けます。 行動中は、早め早めにこちらの存在を相手に知らせるように”カウベル”や”クマ除け鈴”を鳴るように常時携帯します。又身の回りの風向きや見通しも絶えず頭の片隅に置いて、 未だ見ぬ相手にも、伝わってるかナ?を常に意識します。特に彼らのお気に入りの場所や通り道は大体決まっていますから、 獣臭や糞、足跡、爪跡(クマ)、ヌタバや掘り起こしの跡(イノシシ)を見つけた時は、こちらも目鼻耳をフル稼働して注意深く行動します。 又、彼らは、斜面の登りは得意ですが、下りは苦手なので、彼らを下に見たときは要注意です。 そして、至近で出会ってしまったら。とにかく”脅かさない様に” そして決して騒がず慌てず、落ち着いた態度でゆっくり距離を空けて行くのが良いとされています。 眼をそらしたり、背中を見せて逃げる物に彼らは弱みを見て咄嗟に追いかける性質が有ります。 本来彼らも凄く怖がっています。こちらは弱みも強みも見せなければたいていの場合、彼らの方から引き上げ行くのが普通の様です。

サル、野犬

サルや野犬は意志がありチームで行動し、更に好奇心もあります。特にサルのおつむは人間に近い。 たかがお猿さん、小さいからなどと、からかったりすると、すぐに察知して大変な事になります。サルは攻撃の積極性からも クマやイノシシ以上に警戒すべきと思っています。 遺伝子には完全に人間敵視がインプットされているようで。 相手との距離によっては、目を剥いたり、歯を出したり、大きな声を出したり、 こちらの表情、感情が彼らには伝わってしまうようです。
ガレ場の上部に彼らを見つけた時、石が落ちてきて何度か危ない目に会っています・・ これが、自然のモノなのか、意識的に落としているのか・・ですが、僕は回避しにくそうな所を狙って落としてくるように感じます。ガレの上手などに見つけたら、 彼らが自然とそこを去るのを待つくらいの余裕を持った方が良いでしょう、 又こちらから姿は見えなくても彼らは何処かでこちらの様子を伺っています。 キャーッ!という警戒音は向こうから発せられた彼らの縄張りに近づいているゾというメッセージです、近い!と思う時は群れが行き過ぎる迄こちらも小休止でもしてやり過ごした方が無難です。
一方野犬(野生化したのら犬)は、他の獣と違って、向こうからで接近してくるので、一寸厄介です。こちらの様子を伺い、試すような素振りをします。「何しに来た?どうするつもりだい?」と無言のプレッシャーを掛けてきてイヤ〜な存在です。サルも犬も遭遇したら見て見ぬふり。至近ではけっして目を直視してはいけません。そっけなく気をそらす様に、俺は別に何にもしないよと言う素振りで振る舞うのが大事です。 くれぐれも向かっていく態度や、相手をしてはいけません。無理に追い払おう等と騒ぎ立てたり注意を引くのは相手の好奇心を煽ることとなり良くありません。

シカ、カモシカ

シカ、カモシカはおしなべておとなしい動物で、直接危害を与えてくると行ったことはまずありません。がしかし、警戒すべきは彼らの足ではないでしょうか。 ホンドシカのその出会ったときの逃げ足の凄さ。殆ど垂直に近い斜面を横っ飛びして逃げ去ります。斜面やガレ場の上方に彼らを見たときは、決して追いかける振りなどしてはいけません。そっと驚かせない様に注意しましょう。警戒すべきは彼らがその逃げ際に起こす落石なのです。上方にピィーッ!という警戒音が聞こえたらこちらも警戒しましょう。
一方、普通は非常におとなしいカモシカ。しばしば人前に姿を現し、しかもシカのように飛ぶように逃げ去ることもなく、相当に近くなってもこちらを首をかしげてジーッと見ているということが良くあります。ところが場合によっては、気の荒いところもあるので、やはりこちらからはあまりアピールすることはしない方が無難です。気をつけるのはこちらが怪我をしているとき・向こうが親子連れであったり、怪我をしているときです。
ちなみにホンドシカもカモシカも名前は同じシカでも、ホンドシカはシカ科、カモシカは牛科。蛇足ながら・・シカの角は人に例えれば爪のようなもので中には神経も肉も入ってませんが、カモシカの角には中に神経も血も通っています。英語では前者をSTAG(スタッグ)、後者をHORN(ホーン)と明確に区別して呼びます。

ヤマビル・山蛭

吸血されると、後になかなか出血が止まらず、衣服は血で染まるわ・・始末におえません。又、虫刺され等で過敏に症状が出る知人は、後から猛烈でしつこいカユミにみまわれました。・・
特に痛みがある訳でなし、又、従来より有毒ではない、命に関わるモノではないと云われていますが、林業従事者に共通の肝炎の発症との関係について私が仄聞してからは忌避、退治には細心の注意を払うようにしています。
ヤマビルは、湿った地帯、特に獣やヒトの通る所の地面、草木の陰で、ジット待ち構えていて、 対象の接近を察知すると一斉に行動を始めます。そしてひとたび体の一部に取り付くと衣服の隙間等から進入し、肌に吸い付き、特に大きな痛みも無く吸血行動に移ります。 私の場合、噛み付かれた時にほんの一寸チクッとする時もありますが、知らぬ間に吸血されていたというのも少なくありません。
対処方は、先ずは身体に”取り付かせない事”と”早期発見”で。ヒルの生息地域では、草木に近い地面や日当たりの悪い湿った場所に腰を下ろしたり、 ザックを置いたりせず、乾いた場所や河原に移動します。又、折に触れて、ザックや装束全般をチェックします。
身体についてしまった時は、無理に引き剥がさないようにしています。もし付いているのを見つけたら、虫除け剤を付ける、ライターの火を近づける等で、とにかく彼ら側から退散させるように仕向けます。 専門:ヤマビル研究会(ハチ・アブの掲載あり)

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