タイトル
Ever17
〜the out of infinity〜
ハード
DC/PS2
ジャンル
AVG
注目キャラ:沙羅、ココ

(ストーリー)時は近未来、水深51mに浮かぶテーマパーク「LeMU」に遊びに来た倉成武は、突然館内が停電する事故に巻き込まれる。
中に残されたのは武と5人の女の子、謎の少年の7人。
扉は閉ざされ、海中であるため脱出は不可能に近い。助かることはできるのか!?
 


予備知識前作「Never7〜the end of infinity〜」プレイ済み。

前印象Never7〜the end of infinity〜」の続編、「Ever17〜the out of infinity」がついに発売されました。タイトルが意味深で色々と想像させられます。前作は「インフィニティ」の意味づけに力を注いでいましたが、今回は「インフィニティ」からの脱却を深く見せてくれるのでしょうか。あらすじを読むと、脱出物に不可欠な極限の心理状態を見せてくれそうな予感です。ちなみに今回私はDC版を購入しました。

最初の印象OPはいつものキッドさんらしい出来ですね。3DCGと2次元画像の組み合わせが新作を重ねるたびにお上手になっています。欲を言えば、キャラの立ち絵をパーツで動かすのではなくアニメーションにしてくれるとより嬉しいですね。あの動きは安っぽくうつってどうもいけません。せっかく歌と3DCGに気合いが入っているだけにもったいないです。OP内容はキャラ紹介の合間に「LeMU」崩壊の映像が入ってきて、作品の緊張感を高めています。約1名、OPの最後の方で離れて紹介されていましたが、やはり重要人物という意味でしょうか。この手のキャラは1周目は攻略不可のことが多いので、後に回すこととしましょう(笑)。今回は表の第1ヒロインと思われる田中優美清春香菜(たなかゆうびせいはるかな)をターゲットにしたいと思います。

 この作品の主人公は2人。友人と水中テーマパーク「LeMU」に遊びに来た倉成武と「LeMU」で待ち合わせをしていたが誰と約束をしていたのか覚えておらず、更に自分が何者であるかも忘れてしまった少年(名前なし)。ゲーム開始当初は交互に主役が入れ代わるので、序盤の慣れないうちはついていくのが少し大変です。(途中でどちらの視点で行くかの選択肢が出るので、そこからは視点が固定されるようですが。)
 
 武は比較的社交的で行動力があるのでプレイヤーにとっては感情移入しやすいタイプかも。彼は「LeMU」入場時に一人の少女と出会います。彼女の名前は八神ココ。OPで別格扱いされていたヒロインです。でも最初にとった行動はタヌキのしっぽへの噛みつき攻撃・・・。OPでの神秘的なイメージがガラガラと・・・(苦笑)。との初会話も「こめっちょ」談話と脱力するもの・・・(笑えましたけどね)。イラストからは無邪気な天使というイメージだったのですが、この初顔合わせで天然ボケ少女に修正されてしまいました。
 「LeMU」の案内役を務めるのは茜ケ崎空。冷静で論理的ですが、物腰軟らかく人当たりの良い性格。「LeMU」の中枢を熟知している人物のようですが、果たして本物語での関わりは・・・。もう一人が出会うのは小町つぐみ。「LeMU」に何らかの目的を持って入り込んだ人物のようですが、その正体は不明。寡黙で黙々と自らの行動をとっていますが、無感情というよりは他者を必要以上に近づけさせない雰囲気を持っています。はエレベーターの中で彼女と出会いますが、その直後大音響と共にエレベーターの機能が停止します・・・。

 少年はとは対照的に内向的な性格(記憶が欠落しているので当然と言えば当然なのですが)。待ち合わせ場所らしきベンチでぼーっと座っていると一人の少女が話しかけてきます。彼女の名前は田中優美清春香菜、通称「」。彼女は「LeMU」のアルバイトスタッフで、少年を迷子と勘違いして話しかけてきました。少年は半ば流される形で彼女についていきますが、一人の少女を目撃したとき、強い既視感を覚えます。少年を動揺させた少女は松永沙羅。彼女は修学旅行的な学校行事で「LeMU」にやって来ていたそうですが、少年の反応を見る限りかなりの重要人物のようです。その後少年は熱中症で倒れてしまい、不思議な夢を見ます・・・。

 本作は「LeMU」内で原因不明の事故が発生してから主人公を選択することができます。ここで注意するのは主人公によって攻略できるヒロインが異なること。これは取説にしっかり書かれているので、よく読んでおく必要があります。(私も危うく見逃すところでした。)

 を選んだ時は茜ケ崎空小町つぐみ、少年を選んだ時は田中優美清春香菜松永沙羅がヒロインになります。お姉さんシナリオと女子学生シナリオに分かれていると書けば分かりやすいでしょうか(笑)。を選んでいるのに、を攻略しようとしても無意味な行為なので気をつけましょう。一つ興味を持ったのは視点では沙羅が全く姿を見せないという記述。この設定が物語にどのように関係するのか気になるところです。少年にしか見えない死亡キャラ(もしくはそれに類似する幻キャラ)とかだったら嫌すぎですね・・・。ちなみにココ編は4つのシナリオをクリアしないと、入れないそうです(やっぱり)。

 さてどちらの主人公から始めるかですが・・・、正直感情移入しやすそうなのはです。ただ1回目は狙いと決めたので、今回は少年視点で進めていきたいと思います。


中間の印象中盤は良質のパニック映画を見ているような緊張感がありますね。畳みかけるように起こる「LeMU」内のトラブル、仲間同士のいさかい、そして少年だけが目にする不思議現象。特に少年が体験する不可思議現象は少しホラーがかっていて、時折背筋の寒くなる思いがします。仲間は6人しかいないのに生体反応が7人と表示されたり(時に5人と表示されることも)、暗闇の廊下で空き缶を蹴る音が聞こえたり、某キャラから1週間後に死ぬと宣告されるなどなど。そして今回のトップシークレットであろう少年だけしか目にすることのできない7人目の少女の存在・・・。登場人物内にも胡散臭い事情が見え隠れし始めて、想像以上にドロドロした黒い真相が隠されていそうです。当初はパニック展開が中心かなと思っていたのですが、サスペンスホラー的な要素も加味されているようで、個人的に大歓迎な方向に進んでくれています。これらの膨大な伏線がどのように解消されるのか、今から早くもボルテージが高まっていきます。

 本作の設定は閉じこめられた海中施設からの脱出なので、従来の恋愛ゲームのようにヒロインと結ばれることが最終目標ではありません。あえて言うなら、パニック映画でヒロインと一緒に脱出を協力していくうちに、恋心が芽生えていくのと同じようなノリでしょうか。ただ一部どう考えても結ばれそうにない設定のヒロインがいるので、すべてに当てはまるとは思えませんが・・・。だからといって本作においてヒロインとのからみが薄くなっているわけではありません。むしろPCゲームの手法に近い部分があるかもしれません。これをエッチシーン追加でPCに逆移植しても違和感ないシーンがいくつか見られます。露骨にエッチシーンを意識したシーンがあるのは、さすがに苦笑いするしかありませんね(と少年がペンを使って実験をするあのシーンとか)。セリフ(声つき)だけは本番真っ最中と思わせるところも、いくつか・・・。キッドさんは将来PCアダルトゲームにも挑戦するのでしょうか(苦笑)。

 中盤になって登場人物の印象がだいぶ変わりました。

:当初は大ボケ・お笑い担当なのかと思っていたのですが、実際はかなりの現実主義者で行動力のあるしっかり者。「LeMU」へはアルバイトに来ていただけなのですが、施設の構造に詳しく装置の扱いにも熟練しています。彼女がトラブルメーカーでなかったところは、当初のイメージと大きく違いましたね。ただ時折動かない機械に蹴りを入れようとしたり、(主に少年に対して)押しの強いところは「Never7」の優夏を彷彿とさせましたけど・・・。同性からも異性からも憧れを抱かれそうな女性です。

沙羅:彼女は事件に振り回される無力な女の子(等身大の女の子)というイメージだったのですが、思わぬ特技が披露されてびっくりです。この特技に関する話は専用シナリオで明かされるのでしょうか。もしかして時折口に出る忍者言葉も彼女のシナリオで・・・(それはないですか。)取説に書かれていたカラクリ(武視点では登場しない設定)については今のところ触れられている様子はありません。

彼女の正体は序盤である程度予測がつきますね。彼女固有のシナリオではこの設定をどのように膨らませていくのか気になるところです。心を通わせれば通わす程、彼女は**なわけで・・・、主人公は今後どうしていけば・・・。。

つぐみ:ほとんど仲間達と関わってこないので性格が掴みにくいのですが、日によって仲間への態度にばらつきがあり、精神不安定な印象を持ちます。受け答えが柔らかい時の笑顔は幼く見えて、庇護欲を抱かせます。彼女は「LeMU」の事情だけでなく、「Infinity」の秘密も一部知っているような発言が時折見られます。更に主人公に「仲間を信用するな」など疑心暗鬼にさせる発言を繰り返すことも・・・。

少年:本シナリオの主人公。記憶喪失という設定もあり、無個性な性格として描かれています。当初は病的な面ばかり強調されるのかと警戒していたのですが、思ったよりも常識的な反応をしてくれるので入り込みやすいです。ただ見えない物が見えたり、頭痛発作をよく起こすので、周囲から引かれることがたびたび。本人にとっては現実のことなのですが、仲間からは精神病患者と思われてもおかしくない行動を頻繁にとる結果となっています。

:もう一人の主人公ですが、NPCとして現れるとお調子者でなかなか愉快な奴です。とのやり取りがドツキ漫才的で面白いです。ヒロインから可愛がられる少年とは対照的に、獣の象徴のように警戒される(からかわれる)が哀れです。でもトラブルがあったときには一番先頭で行動するしっかり者。

 あとVMアイコンではココが延々と「こめっちょ」独演会をやっています。際限なくネタが披露されていますが、一体何種類あるのでしょう・・・。本編はシリアスなのに、ここだけ脳天気なアメリカンジョーク(?)が連発されていて、不意にコントローラーを見ると脱力します。(これはDC版だけの特典でしょうか?)


(以下ストーリーに触れます)


最終の印象グッドエンド、クリア。後半から随分話が複雑になりましたね。当初はの父親関連の過去が明かされて、「LeMU」を作った企業の悪事が曝露される程度の予想しかしていなかったのですが、実際にプレイを進めるとの存在意義をも脅かす事態にまで発展してしまいましたした。「LeMU」の機密事項を明からかにするため沙羅の協力を得てコンピューターをハッキングしたり、それが元で空と対立姿勢をとったりするなど、後半は息尽かせぬ展開が続きます。しかもこの騒動の後に明らかになった真相があれですからね・・・。にとってはますます泥沼にはまる結果となりました。その影響もあり、後半の彼女は弱々しい部分も見せるようになり、主人公との姉弟のような関係も変化していきます。当初この2人が恋愛関係になる姿は想像しにくかったのですが、普段元気で弱みを見せない彼女が精神面で少年に頼っていくところは自然な流れにうつりました。遺跡の逢瀬シーンはのエスコートがうまいこともあり、少年と一緒に雰囲気に飲まれてしまいました(笑)。

 今回シナリオだけで多くの伏線が張られていたわけですが、残念ながらクリア後も謎・疑問が明かされることはほとんどありませんでした。なぜ急に外部と連絡がとれたのか、「LeMU」の事故の原因は何だったのか?、の両親に何があったのか、そして本人が何者だったのか・・・、気分はまさに少年と一緒に??の嵐です。某キャラが地上に帰れたら真相を語ると言っていましたが、結局エピローグでも省略されてしまい、せめて優の過去、ついでに長い名前の由来ぐらいはここで聞きたかったものです・・・。これではクリアしてもフラストレーションのみが溜まってしまいます。脱出物としても自分達が知恵を絞って解決法を見つけたのではなく、結局外部の力を借りてですから、この辺りもクリア後の爽快感を妨げる原因になっていたと思います。おそらく他ヒロインシナリオを攻略したら、すぐに疑問が氷塊するのでしょうけど。ただ1本のお話としては完結していないので、1シナリオとして扱うならもう少し達成感を抱く締めが欲しかったところです。おかげで真相が気になって、速攻に沙羅シナリオへと移行してしまいました。沙羅シナリオではふむふむ・・・、少年の過去にいくつかメスを入れるようですね。想像以上にダークな雰囲気も漂っていて、少年と沙羅がどこへ進んでいくのか気になっていきます。


松永沙羅:学校行事で「LeMU」にやって来た女の子。の後輩で、二人は勧誘(パソコン部)の時に知り合い以後意気投合します。かしましい典型的な女子高生ですが、少年は彼女の姿を垣間見たとき言いようもない懐かしさを感じます。しかし当の沙羅は生真面目な少年をからかって反応を楽しんでいる風でした。「LeMU」の事故により思わぬ才能が明るみになる沙羅。そして少年自身も徐々に過去の自分を取り戻していきます。全く接点がないように思われた沙羅と少年。しかし沙羅の持つペンダントが二人の見えない絆をたぐり寄せます。それは少年が心の奥にしまい込んでいた暗黒の記憶をも呼び覚ますことになりました・・・。

 沙羅グッドエンドクリア。この話の結末は予想できませんでしたね。少年が沙羅を強く意識していたのは、ループのせいだと思っていたのですが、まさか彼女がここまで少年に深く関わっていくとは思いませんでした。というかその役割はココが果たすものだと確信していたので、後半は思わぬ伏兵が現れたという心境です。前半、プレイヤーには彼女の才能を披露することで社会的に自立していると感じさせ、更に持ち前の明るさで少年よりも優位な立場にあることを強く印象づけていました。小生意気だけど芯はしっかりしている女の子、それが前半のイベントで抱いた彼女の印象です。しかし後半はその前提が大きく崩れる真実が明かされます。前半と後半で大きく印象の変わるヒロインについては以前「感動の追究」のコーナーで述べさせてもらいました。沙羅も前半と後半のミスマッチを強調することで、ストーリーをインパクトのあるものにしていました。正直沙羅のキャラ性については当初それほど期待していなかったのですが、このシナリオをプレイして彼女の株が大幅にアップしました。勝ち気でしっかり者の少女がラストでは依存しきった瞳を見せる・・・、このシチュエーションはなかなか破壊力があるのではないでしょうか。エピローグ後の2人の動向もそのまま追い続けたくなりますね。

 ただ、一つ言わせてもらうと彼女の正体についてはもう少し細かい伏線が欲しかったかなと感じさせました。彼女の正体が判明する過程が荒削りすぎて、驚きはしますが大きく納得するまでには至りませんでした。もう少し二人の絆を感じさせるイベントを何回か挟んで、唐突感を抱かさない工夫があれば、「なるほど、そういうことだったのか!」と感嘆できただけに残念でした。プレイヤーに気付かれぬよう伏線を着実に張り、真相が明るみになった時その伏線が一気に開花する・・・、非常に難しいことですがこのような話をこれから心待ちにしています。

 このシナリオで少年の正体がある程度明らかになりましたが、まだ不透明な部分も多く残されています。少年はなぜ記憶を失ったのか、なぜあの場所で人を待っていたのか、そもそも待ち人とは誰だったのか、そして時々予知内容が頭に浮かぶ意味は・・・、これらは他シナリオを解いていかないとダメなのかもしれないですね。(ある程度予測は立つようになりましたが、まだ頭で整理しきれません。)今回は情報量が多すぎて、一つ一つ真相に当てはめていくのが大変です。


 今回から編に移行。ほほう、メンバーに変化が見られますね。編では沙羅が登場せず、代わりにココが仲間に加わっています。果たしてこの入れ代わりの意味するところは・・・。編では沙羅はすでにこの世におらず「LeMU」の部品になっているとかだったら、嫌すぎですね・・・。少年編のココがそんな感じでしたので・・・。
 それにしても少年編も編も、ストーリーが完結していないので感想が書きにくいです。すべての謎は最終シナリオをクリアしないと分からない仕組みになっているようなので、今ここで考察を書いても後であっさり覆されそうです。今は気分良く好きなことを書いていますが、コンプリート後にとんちんかんなことを書いていたと分かったら恥ずかしいですね(苦笑)。


小町つぐみがエレベーター内で出会った女性。この直後に「LeMU」の事故が発生します。つぐみは必要以上の事を口にせず、行動も周りから離れて単独で行っています。は仲間としてたびたび協力するよう申し出ますが、彼女は達を敵とみなし関わりを拒絶します。しかし時折フラッと達の所に戻って、一緒に生活をする時もあります。それはあたかもネコの気まぐれのようにには映ります。彼女が「LeMU」を訪れた意図は?必要以上に他者を拒絶する理由は?そして彼女が頻回に口にする「死」を羨望する意味とは・・・。彼女が自らの過去明かした時、狂気の世界が幕を開けます。あのキュレイの名とともに・・・。

 つぐみグッドエンド、クリア。少年編とはまた異なるシナリオ展開で飽きずにプレイすることができました。少年編での開かずの扉や「LeMU」事故の真相が判明して、少しすっきりした気分です。ただそれ以上に新たな概念がてんこ盛りにのしかかってきましたけどね・・・。つぐみの驚くべき体質に、ココ達を浸食するTB(ティーフ・ブラウ)の猛威。(TBと聞くと結核(tuberculosis )をまず連想するのですが、制作者さんがかつての不治の病であるこの疾患の略称を意図的に用いていたのなら凝っていると言えますね。症状はエボラ出血熱を参考にしているのでしょうけど。)そしてここであの「キュレイ」という単語がついにこのシナリオで登場しました。「キュレイ」と言えば、前作「Never7」のkeyとなる言葉でした。この話を見る限りでは、前作とは異なる概念で用いられているようですが、これからのシナリオで前作とリンクさせてくるかもしれませんし、まだ断定はできません。前作は精神医学的なお話でしたが、今回は免疫・遺伝学の方向へと話が膨らみそうな予感です。個人的にはそちら方面にも関心があるので、俄然興味が沸いてきますね。
 
 ラストはかなり救われない結末だったような・・・。主人公はもちろんのことですが、他の登場人物も救助されてハッピーという風には見えません。結局全員感染してしまったわけですし・・・、救助された後は隔離部屋で検査の名をかりた生体実験を受けさせられていそうです。何よりショッキングだったのはココの**シーン。最年少の少女にあんな症状を起こさせるとは(しかもCG付き)。見ていてかなり後味の悪い嫌な気分にさせられました。あと後半の武の行動は狂気じみていて怖かったです。確かに生命を第一に優先させたのはよく分かりますが、つぐみの心の傷を考慮せず強引にあのような提案をしたように映りました(さながら生肉に群がる亡者のように)。更にキュレイが及ぼす予後のことを考えると、あの時死んだとしてもやらなければ良かったという後悔が起こる可能性が大です。もしつぐみがループして最初の時をやり直せるのなら、今度はの行動を何が何でも阻止しようとするでしょうね。その結果が、最初の頃の強い拒絶だったら非常に面白くなるのですが、果たして・・・。

 つぐみの性格は最後までとらえ所がありませんでしたね。最初は周りに対してかなり拒否的だったのに、時々思い出したように集団に戻ってきますし、を敵視しているのかと思えば、作業にすぐ協力したりしていますし・・・。意図的なようで意図的でない、まさにネコの気まぐれを連想させる振る舞いでした(本人はネコが嫌いみたいですが)。自分の主張と矛盾した行為をとることも多々あったので、当初は分裂気質なのかと思っていましたが、彼女の秘密が明るみになってからは自分の身体が矛盾しているために起こる悲鳴なのだと納得することができました。ただ納得はしますが、理解することはできませんけどね。自分の身体をどうすることもできない絶望感はその元凶を強く憎悪し、仲間意識をちらつかせる達の輪をかき乱すことで発散しています。ただ自分の居場所を求める願望も誰よりも強いので、集団の輪に近すぎず遠すぎずの位置で留まろうとしています。集団の一員にはなりたいが、どれだけ歩み寄っても本当の一員にはなれないという諦め・ジレンマが伝わってきました。だから周りが近づいてくるとそれを自ら壊してしまうという悪循環を繰り返していました。この辺りまでは想像できましたが、つぐみがいつの時期からに心を許すようになったのかが分かりませんね。やはりハムスターの事件からでしょうか。でもその後で強烈にを拒絶するイベントがありましたし・・・。それとも拒絶と接近を繰り返すことで、がどこまで自分についてきてくれるか試していたのかもしれません(この場合、無意識にやっていたのでしょうが)。


茜ケ崎空「LeMU」のオペレーターで、開発部副主任。「LeMU」の内部に詳しく、今回の事故後も自ら先頭に立ち積極的に対応します。物腰柔らかく誰に対しても人当たりが良いですが、職務に忠実で融通の利かない面も。「LeMU」での事故を自分のことのように抱え込んでいますが、その理由は・・・。

 グッドエンド、クリア。ただこれもグッドというわりには、どのキャラも救われたとは言えないような・・・。最初はコピーのやり方が分からないまま時間切れになったのでバッドエンドなのかと思ったのですが、この終わり方がシナリオのグッドなのですよね。編はどれも悲恋で終わってしまうのが、何とも・・・。ハッピーエンド指向だった少年編とギャップが強くて戸惑います。元々、彼女の正体から悲恋になるのは分かり切っていたのですが、時間を超えて再会という希望もほのめかしていただけに、そちらの結末を目に見える形で迎えたかったですね。それとも古今東西使い古された手法なので、わざと回避したのでしょうか・・・。編はパニック物の展開としては少年編よりも見所が多かったですが、結局プレイヤー視点の主人公が助かっていないので遠くから物語を見ているような疎外感を抱きます。のキャラは感情移入しやすかっただけに、あの終わり方は後味の悪さも倍増しますね・・・。(最後ののCGは綺麗と思いましたが。)

 はプレイ前まではあまり魅力を感じるキャラではなかったのですが、彼女も沙羅同様シナリオクリア後に評価がアップしました。従来のロボットキャラにありがちな感情を知らないもしくは否定するタイプではなく、最初から感情(特に人の愛情)に興味津々なところが好印象です。そのためか会話をしていて一番気持ちが和んだのは彼女かもしれません。の恋愛講座は、の愛情に対する未成熟な心と、何でも吸収しようとする透明な心が混ざり合っていて、彼女の魅力を高めていました。ガラス越しの化粧・手のひらの触れ合いは演出がうまいと思いました。ただのセンスのなさが災いして、がけばい化粧やコギャルモードにされてしまい、似合わないを通り越して恐ろしい生物になっていましたが・・・。ここで辺りが先生役として乱入してきていたら、更に大混乱状態になったでしょうね。

 後半の水攻めイベントは、愛情を手にしたからこそ起こりうる心の闇を表現していて印象深かったです。本来なら心の底にため込むであろう負の感情をここまでむき出しにして表現できたところは、彼女独自の設定があったからこそ可能だったのでしょう。自分の醜い心を自分が話し、それを自分と他者が一緒に聞く・・・、これほど辛いシチュエーションはありません。最終的にはその体験をメンテタンスで削除したとに話しましたが、実は人間と同じように心の底にしまい込んだところも彼女の心がより人間らしくなっていることを示す名シーンでした。

 これで4ヒロインのシナリオをすべてクリアしました。そうすると・・・、ついに第3の視点・ココ編発動のメッセージが!前作の時もそうでしたが、真シナリオ発動のメッセージは心が震えてきますね。心地よい興奮とともに、いよいよ最後のシナリオに取りかかりたいと思います。こちらの度肝を抜く真相に期待します。



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